中毒性がハンパない ヤクザ×少女のカオスアニメ『ヒナまつり』は、なぜ人々を引き込むのか?

『ヒナまつり』中毒性がハンパない

 普通のギャグアニメだと思ってAパートでお腹を抱えて笑っていると、ふいにBパートでお涙頂戴展開が入ってくるあたりもニクい。当初自分勝手だったヒナが徐々に成長し、新田との信頼関係を深めていくさまや、もう1人のサイキック少女・アンズが健気にホームレス生活を送るさまなど、人と人との心の通わせ方も丁寧に描き込まれている。そのため、油断していると思わず目頭が熱くなってしまう。ギャグ展開と感動展開で大きく緩急がついていることで、一層飽きずに物語に引き込まれてしまうのだ。

 様々な異色要素が盛り込まれたカオスすぎる設定ながらも、前述したように“少女(たち)の成長”という大枠のテーマがあることで、不思議と調和のとれた展開を見せている『ヒナまつり』。あっという間に最終回を迎えてしまうのがとても残念だが、最後まで振り切った世界観で駆け抜けてほしい。

■まにょ
ライター(元ミュージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。Twitter

■放送情報
『ヒナまつり』
AT-Xにて毎週金曜21:00〜、TOKYO MXにて毎週金曜25:40〜ほか放送中
声の出演:田中貴子、中島ヨシキ、村川梨衣、本渡楓、日笠陽子、小澤亜李、小山剛志、河西健吾
監督:及川啓
原作:大武政夫(『ヒナまつり』/KADOKAWA刊)
シリーズ構成・脚本:大知慶一郎
キャラクターデザイン・総作画監督:神本兼利
助監督:松原桂
キーアニメーター:枡田邦彰、竹内哲也、荒木涼
美術監督:吉原俊一郎
美術設定:青木薫
背景:美峰
色彩設計:岩井田洋
撮影監督:中村雄太
編集:平木大輔
音響監督:本山哲
音響制作:マジックカプセル
音楽:三澤康広
音楽制作:日本コロムビア
アニメーション制作:feel.
製作:ヒナまつり製作委員会
(c)2018 大武政夫・KADOKAWA刊/ヒナまつり製作委員会
公式Twitter:@hinamatsuri4649
公式サイト:http://hina-matsuri.net/

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