岩田剛典、回を追うごとに深みを増す“人間っぽさ” 『崖っぷちホテル!』大逆転のフィナーレへ

岩田剛典、回を追うごとに深みを増す“人間っぽさ” 『崖っぷちホテル!』大逆転のフィナーレへ

 『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)は、威厳0の若き総支配人とクセ者揃いの従業員たちが多額の借金を抱えた老舗ホテル「グランデ インヴルサ」の再建に挑むコメディドラマ。自由すぎる副支配人・宇海(岩田剛典)が従業員となったことで、総支配人・佐那(戸田恵梨香)をはじめ、従業員たちはホテルマンとして成長し、物語も佳境へ近づいている。そんな矢先に宇海が初めて見せた、不穏な表情が印象的な第9話だった。

 第9話では、ホテルに密着取材を行うテレビクルーがやってくる。彼らは宇海の姿を見つけると、不敵な笑みを浮かべ彼に近づき、「バリストンホテルを追い出されたのは本当ですか」と詰め寄る。いつものようにニコニコ顔で対応すると思われたが、彼は顔を曇らせ押し黙ってしまう。今作で、子供のようにワクワクした表情を浮かべる演技が印象的な岩田。そんな彼が顔をこわばらせると、台詞を発さなくとも「ただならぬ予感」を感じてしまう。

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 テレビクルーからのインタビューには、従業員たちも疑問を感じていた。そんな彼らに噂されている自分の過去を話す宇海。岩田は、微笑んではいるもののどことなく硬い表情で、過去の出来事に負い目や責任を感じている彼の心情を表現していた。そんな宇海を強く励ます従業員たち。バリストンホテルで叶えられなかった宇海の夢「大花火大会」という企画を全面的にサポートする。やる気に満ち溢れた従業員たちを見つめる宇海の目には涙が浮かんでいた。感情的に涙を流すのではなく、涙を浮かべたまま彼らをじっと見つめる宇海の姿に心打たれた視聴者も多いのではないだろうか。宇海も感じとっていたはずだが、このホテルには、お客様を第一に考える一流のホテルマンしかいない。ホテルの名に恥じない「大逆転」は、もう目の前まできているのだ。

 「大花火大会」当日は悪天候となってしまう。花火を打ち上げることがなかなかできず、従業員たちは帰ろうとする来客を必死で引き止める。その様子を見ていた宇海の表情は、今までの彼とは全く違うものだった。その厳しい表情が表しているのは決してネガティブなものではなく、彼の一大決心を表すものだった。岩田の表情を捉えたそのシーンはほんの数秒だったが、宇海らしくないとも言える表情、岩田の強い目は鮮明な印象を与えた。

 どうしても雨が止まず、来客を引き止めるのも限界に近づいとき、宇海が現れる。宇海は正装だ。彼は大雨の降る屋外へ来客を誘導する。そこには色とりどりの傘が吊るされており、雨粒が弾ける音がまるで花火のような演出が施されていた。その直後、雨が止み、無事に花火が打ち上がる。奇跡の大逆転が起きたのだ。笑顔で花火を見上げる来客と、企画の成功に喜ぶ従業員の表情は魅力的で、視聴者も思わず笑顔を浮かべてしまったに違いない。企画が成功し、宇海のワクワクした表情が戻ってくる。

 しかし同時に、岩田はどこかほっとした表情を浮かべる。このほっとした表情は、宇海がこのホテルにやってきた真意につなげるためかもしれない。佐那を見つめる視線が、どこか達成感で満ち溢れているようだった。これで役目は果たしたと言わんばかりに。

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