MCのキャリアが活きた? 嵐・櫻井翔、『ラプラスの魔女』で見出した新しい主役のポジション

櫻井翔が見出した新しい主役のポジション

 さらに注目したいのは、青江のポジショニングだ。主役という役割を担うと同時に、物語は青江の目線で進んでいく。しかし、一般的な主役のように物語の全面に出てくるタイプではない。青江が自発的に事件を解明していくのではなく、青江の元に事件に関する情報が集まってくるのである。例えば、キーパーソンである円華も青江から近づいたわけではなく、円華が青江にコンタクトを取ってきている。つまり、物語進行のハブという意味での主役だったのである。

 「主張しすぎない主演」、「映画の進行役としての主役」という新しい姿を見せた櫻井翔。これは、キャスターやMCとして番組進行のキャリアを積む櫻井だからこそのポジションと言えるのではないだろうか。『ラプラスの魔女』以降、「主演=進行役」という櫻井ならではの新しいポジションが確立されていくのかもしれない。次の作品にも注目していきたい。

(文=高橋梓)

■公開情報
『ラプラスの魔女』
全国東宝系にて公開中
出演:櫻井翔、広瀬すず、福士蒼汰、志田未来、佐藤江梨子、TAO、玉木宏、高嶋政伸、檀れい、リリー・フランキー、豊川悦司
原作:東野圭吾『ラプラスの魔女』(角川文庫刊)
監督:三池崇史
脚本:八津弘幸
(c)2018 「ラプラスの魔女」製作委員会
公式サイト:http://laplace-movie.jp/

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