映画『犬ヶ島』宮崎駿と黒澤明へオマージュを捧げたシーン公開 『七人の侍』を彷彿させるカットも
5月25日に全国ロードショーされる映画『犬ヶ島』から、ウェス・アンダーソン監督が宮崎駿と黒澤明にオマージュを捧げたシーンの本編映像が公開された。
全編にわたり日本を舞台とした本作は、“ドッグ病”の大流行によって犬ヶ島に隔離されてしまった愛犬を探す少年と犬たちの壮大な旅と冒険を描いたストップモーション・アニメーション。アンダーソンは特に50年代・60年代の名作群から色濃い影響を受けていると言い、「今作については、2人の監督から最も強く影響を受けています。黒澤明監督と宮崎駿監督の2人です」とコメントしている。
今回公開された本編映像は、アンダーソン監督が宮崎駿や黒澤明の演出を犬のパペットでオマージュを捧げたシーン。「黒澤明監督はまさに師匠のような存在です。黒澤作品が一番この映画に影響を与えています」と言うように、クロサワ最大の特徴である“映画的な動き”を犬のパペットに表現させた象徴的な演出が施されている。また、決戦を控えた犬たちが並び立つ様を正面から凛々しく捉えたカットは『七人の侍』を彷彿させる。
一方宮崎駿からは、黒澤明とは対照的に“静”の演出を採り入れている。「この地球上に存在する映画の中で、最も静けさ、自然の音を大事にした監督は他にいるでしょうか。草、水滴、虫の音などですね。宮崎駿監督も常に意識していました」とアンダーソン監督は明かし、威嚇し合う犬たちが考えなおした瞬間にピタリと静寂が訪れ首輪のネームプレートがキラリと鳴ったり、荒廃した島ならではの風のうごめく重低音が聞こえてきたりと、ワチャワチャしている中でも叙情的な雰囲気に包まれる仕上がりとなっている。
■公開情報
『犬ヶ島』
5月25日(金)全国公開
監督:ウェス・アンダーソン
キャスト:ブライアン・クランストン、コーユー・ランキン、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、野村訓市、グレタ・ガーウィグ、フランシス・マクドーマンド、スカーレット・ヨハンソン、ヨーコ・オノ、ティルダ・スウィントン、野田洋次郎(RADWIMPS)、村上虹郎、渡辺謙、夏木マリ
配給:20世紀フォックス映画
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/inugashima/