志尊淳&清野菜名から目が離せない 『半分、青い。』アシスタント役で物語を牽引
もう1人の若手アシスタント・ボクテは、ユーコとは全く違ったキャラクターで、明るく親しみを感じさせる。ゲイの美青年であるボクテは、上京したての鈴愛に親しく声をかけてくれる人物の1人である。若手アシスタントが暮らす寮で鈴愛に声をかけた彼は、鈴愛にとって優しい先輩とでも言ったところだろうか。劇中、鈴愛が片耳難聴のことを秋風に伝えたとき、秋風は「それがどうした」と言わんばかりの反応をみせた。鈴愛が想定外の出来事に呆気にとられていると、ボクテは彼女の手を引き、秋風の言葉と真意について伝える。そのボクテの表情は、東京に来たばかりで戸惑う鈴愛に対して、当たり前のように優しく接する“お兄ちゃん”のようである。
ボクテを演じる志尊淳は、映画『帝一の國』やドラマ『君はペット』(フジテレビ系)、『トドメの接吻』(日本テレビ系)などに出演する注目の若手俳優である。『女子的生活』(NHK総合)では、トランスジェンダーの主人公・小川みき役を好演したことも記憶に新しい。ボクテは、彼の優しげで端正な顔立ちに合った役柄と言える。ゲイを公表したキャラクターは、連続テレビ小説史上初めてとなるが、志尊はボクテの個性として自然に演じている。『女子的生活』において、性的マイノリティである主人公の生き様を誠実に体現した志尊だからこそと言えるだろう。今後、ボクテはユーコとともに鈴愛の人生に大きく関わってくいく。秋風に自身の漫画のアドバイスを受けている様子からは、野心も感じられる。同僚として、漫画家を志すライバルとして、ボクテが劇中どのように動いていくのか楽しみである。
秋風のもとで経験を積む主人公・鈴愛にも目が離せない。同僚でありライバルであるユーコとボクテにどう関わっていくのだろうか。第6週のユーコとボクテの登場シーンは少なかったが、視聴者の目に印象的に映ったことだろう。鈴愛が東京で出会う、物語において重要な人生になることが期待できる。今後の清野と志尊がみせる演技に、目が離せない。
■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一/佐藤健、原田知世、谷原章介/余貴美子、風吹ジュン、中村雅俊/豊川悦司、井川遥、清野菜名、志尊淳、中村倫也、古畑星夏
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/