『君の名前で僕を呼んで』監督が明かす桃への思い 「日本の美味しい白桃を使えたらよかった」

『君の名前で僕を呼んで』監督インタビュー

ーー音楽が挿入されるタイミングも印象的でした。音楽面での演出でこだわった点は?

グァダニーノ: 複雑な質問だからきちんと答えると長くなるけど、基本的にエリオを追うようにしたんだ。ピアニストとしてのエリオのイメージが、スクリーンからあふれ出るように心がけた。エリオから想像する音楽を使用したかったから、クラシックはピアノ用の曲だけを選んだんだ。また80年代を表現するために、1983年にラジオで流れていた曲をピックアップした。そしてスフィアン・スティーヴンスに関しては、彼は素晴らしいアーティストだから、作品の“新たな声”として参加しないかと誘ったんだ。ストーリーとキャラクターに対する彼なりの解釈をもとに、新しいキャラクターとして曲を作ってほしいと。だからとても多様かつ統合性のあるサントラが出来上がったのさ。

ーー原作では再会を果たすエリオとオリヴァーですが、あなたの世界の彼らも再び出会うべきだと思いますか?

グァダニーノ: 再会すると思うよ。そうだろ? 2人は将来再び出会うと僕は思う。アンドレ・アシマンの原作の好きなところは、2人のエピファニー(直感、ひらめき)を描いているところだ。たとえそれが17歳の時であっても、決して忘れることはできない。エリオとオリヴァーは今後、好きなところへ行って、好きなことをするだろうが、互いを自分の名前で呼び合える関係はずっと続くと思う。

(取材・文=阿部桜子)

■公開情報
『君の名前で僕を呼んで』
TOHOシネマズ シャンテほかにて公開中
監督:ルカ・グァダニーノ
脚色:ジェームズ・アイヴォリー
原作:アンドレ・アシマン
出演:ティモシー・シャラメ、アーミー・ハマー、マイケル・スタールバーグ、アミラ・カサールほか
原題:Call Me By Your Name
提供:カルチュア・パブリッシャーズ/ファントム・フィルム
配給:ファントム・フィルム
(c)Frenesy, La Cinefacture
公式サイト:cmbyn-movie.jp

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