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『劇場版 アイドルキャノンボール2017』は“中年アイドルファン”の気持ちを代弁する

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 と、ここでやっと、『劇場版 アイドルキャノンボール2017』の説明となるのだが、今回はWACKオーディションに参加したアイドル候補生を対象にした企画となっている。

 参加する監督はカンパニー松尾、バクシーシ山下、梁井一、嵐山みちる、アキヒト、エリザベス宮地、岩渕弘樹。

 見どころは世代交代だ。これまでの『テレクラキャノンボール』にはカンパニー松尾やバクシーシ山下がAV監督として老いていく姿が刻印されていたのに対し、今回はエリザベス宮地と岩渕弘樹というAVやキャノンボールに憧れてMVやドキュメンタリー映画を撮っていた監督が参加したことによって、今までとは違う化学変化が起きている。

 特に岩渕弘樹の、自分が尊敬する先輩たちに認められたいという気持ちと、なんとか爪痕を残したいというドキュメンタリー監督としての執念が、どんどん加速していくのは見どころである。大森靖子のMV「魔法が使えないなら」や彼女が出演した映画『サマーセール』でその存在は知っていたが、ここまで面白い人だとは思わなかった。

 考えさせられるのはAV監督VSアイドルという構図だろう。これは、翻訳するとカメラを構えたおっさんVS何者かに成りたい若い女の子という対比なのだが、これはそのまま高齢のアイドルオタクとアイドルの関係にも見える。

 本来なら相いれない存在が、偶然出会ってしまった時に起きるコンフリクトの奇蹟。特におっさん側の、狼狽する様は愛おしいものがある。だからこれは、おっさんアイドルファンの気持ちを代弁した映画でもあるのだろう。

■成馬零一
76年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

■公開情報
『劇場版 アイドルキャノンボール2017』
渋谷HUMAXシネマほかにて公開中
出演:BiS、BiSH、GANG PARADE、WACKオーディション参加者、渡辺淳之介、高根順次、平澤大輔、今田哲史、カンパニー松尾、バクシーシ山下、アキヒト、梁井一、嵐山みちる、岩淵弘樹、エリザベス宮地ほか
プロデューサー:渡辺淳之介(WACK)、高根順次(SPACE SHOWER TV)
監督:カンパニー松尾
製作:WACK INC. SPACE SHOWER NETWORKS INC.
配給:日活
公式サイト : http://idol-cannon.jp

      

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