『西郷どん』まさかの“ロシアンルーレット”展開に!? 渡辺謙×鹿賀丈史、鬼の形相の対峙
島津斉興(鹿賀丈史)と斉彬(渡辺謙)の親子対決や“お由羅騒動”が描かれた先週の『西郷どん』(NHK総合)。西郷吉之助(鈴木亮平)が先生と慕う赤山靭負(沢村一樹)に切腹の命令が下っていたが、第4回「新しき藩主」ではついにその処罰が執り行われる。「無念の思いに報いるためには、いつまで待てばよろしか」。赤山の死、大久保正助(瑛太)の謹慎処分、正助の父・次右衛門(平田満)の島流しと相次ぐ処罰に、吉之助は斉彬へ再び窮状を伝える手紙を送る。斉彬は意を決し、斉興との最期の戦いへ。大河ドラマにおいて、まさかの“ロシアンルーレット”という藩主争いに視聴者も騒然となった。
阿部正弘(藤木直人)を通じて、徳川家慶から「この上は安んじて斉彬殿に任せられよ」と隠居勧告を受けた斉興。それは、幕府に取り入った斉彬の策略であった。当然それを見抜いている斉興は、目の前に現れた斉彬に身構える。斉彬は親子同士、「面の厚いところ」「世の大事が見えておらぬこの2つの眼」「下々の声をまるで聞こうとしない」「嫌なことからすぐに逃げ出す腐った性根」と、自戒の念を込め互いに似ているところを挙げていく。同時にその愚かさは、薩摩を愛する吉之助からの手紙、そして命を絶った赤山から気付かされたメッセージでもあった。貧困に喘ぐ薩摩を変えなければならない。薩摩の多くの望みを受け止め、斉彬は藩主になるべく斉興に戦いを挑む。
密貿易、琉球出兵の罪を調所広郷(竜雷太)に被せたことを攻め立て、斉興の切腹と島津家の取り潰しを宣告する斉彬。だが、斉興は「わしはお前が好かん!」と隠居を拒み続ける。腹を決めたのか、斉彬は密貿易で手に入れた銃を手にし、“天の声”と称したロシアンルーレットを提案。斉興の隣で顛末を見守る側室の由羅(小柳ルミ子)、抜いた刀を納め藩主の覚悟を見守る家来たち。
斉彬は弾を一発だけ込め、シリンダーをくるくると回し、「生き残った方が薩摩の藩主」と銃口をこめかみに当てる。「カチャッ」と引き金を引く音が聞こえると、「はぁ……はぁ……」と斉彬が荒い息遣いを立て、銃を斉興に渡す。家来の前で恥を欠くことはできない。斉興は震える銃口をこめかみに当てる。しかし、「うわー!」と雄叫びを上げ、斉興は銃を投げ捨てる。緊張の糸が途切れたのか、斉彬は涙目で天を仰ぐ。藩主として、どちらが覚悟を見せたか。言葉にせずとも、その場にいた誰もが斉彬が藩主になることを察した瞬間だった。