第75回ゴールデングローブ賞結果発表! 女性のパワー溢れる授賞式に
第75回ゴールデングローブ賞の授賞式が1月7日(現地時間)に米ロサンゼルスのビバリー・ヒルトン・ホテルで開催され、映画部門では『スリー・ビルボード』が、テレビ部門では『ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~』がそれぞれ4部門で最多受賞となった。
ハリウッド外国人映画記者協会が、その年の優れた映画やドラマを選出するという同賞は、アカデミー賞の前哨戦として多くの注目を集める。
映画部門では、2月1日から日本公開される『スリー・ビルボード』が、作品賞(ドラマ)、女優賞(ドラマ)、助演男優賞、脚本賞の4部門で最多受賞を記録。次いで、『レディ・バード』が、作品賞(ミュージカル/コメディ)と女優賞(ミュージカル/コメディ)、『シェイプ・オブ・ウォーター』が、監督賞と作曲賞でそれぞれ2部門を獲得した。
ドラマ部門では、子育て、不倫、DV、離婚など夫婦間で女性が抱える悩みを描いた『ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~』が、作品賞(リミテッドシリーズ/テレビ映画)を含む4部門を受賞。作品賞(ドラマ)に『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』、作品賞(ミュージカル/コメディ)に『マーベラス・ミセス・メイゼル』が選ばれ、今年は女性が主演を務めるドラマが強い結果となった。また、男優賞(ドラマ)に輝いた『THIS IS US 36歳、これから』のスターリング・K・ブラウンは、同部門で黒人初の受賞を成し遂げた。
さらに、昨年から問題となっているセクハラ問題を受け、今年は女性たちの団結力を感じさせられる授賞式となったゴールデングローブ賞。レッドカーペットでは、セクハラ問題への抗議と再発防止を願って、女優ら300人以上が黒のドレスをまとうといった異例の事態となった。
長年の映画界への貢献を称えるセシル・B・デミル賞を受賞したオプラ・ウィンフリーも力強いスピーチを披露。「長きに渡って女性たちは、力ある男性たちに思い切って真実を話しても、聞く耳を持ってもらえませんでした。しかし、そんな時代は終わります。新しい日がようやく訪れたとき、それは誰一人として『#Me Too』と再び言うことがない時代が来るように一生懸命闘った、今夜この部屋にいるたくさんの勇気ある女性や、素晴らしい男性たちのおかげです」と悪しき風習の終焉を訴えた。それに続き、監督賞のプレゼンターとして登場したナタリー・ポートマンも「これらは、すべて男性のノミネートです」と、監督賞へ女性が一人も選ばれなかったことをチクリと指摘している。
(文=阿部桜子)