2017年ブレイク俳優・鈴木伸之の強み 『あなそれ』から『リベンジgirl』まで、幅広い役柄を読む

劇団EXILE・鈴木伸之、2017年の躍進

 今年最後を飾る映画『リベンジgirl』では、桐谷美玲演じる才色兼備ながらも性格ブスのヒロイン・宝石美輝の選挙戦を手伝う元敏腕政治家秘書・門脇に扮する。不愛想で毒舌ながらも、男気があり誠実という、まさに今年出演した作品の集大成ともいえる、さまざまな側面を持つ男だ。

『リベンジgirl』

 鈴木は以前のインタビューで「人間というのはさまざまな側面を持っているのが普通。ドラマでは特徴的な部分を強調するわけなのですが、優しいキャラクターでも悪い部分は必ずあると思う」と語っていた。硬派で表情を崩さない亜門でも、大笑いした経験はあるだろうし、クズな有島だって、優しい部分を持っているはずだ、という解釈だ。演じる役柄に対して、台本に掛かれていない部分にまで思いを馳せるというアプローチの仕方を象徴している発言だろう。

 このようにキャラクターを立体的に捉えることが自然にできるからこそ、どんな役にでもスムーズに対応していくのではないだろうか。持ち前のルックスに加え、役柄への理解力の高さ……鈴木が各方面から引っ張りだこになるのは頷ける。『桐島、部活やめるってよ』(2012年)、『ルーズヴェルト・ゲーム』(2014年/TBS)、『水球ヤンキース』(2014年/フジテレビ)、『ストレイヤーズ・クロニクル』(2015年)、『花燃ゆ』(2015年/NHK総合)、『オオカミ少女と黒王子』(2016年)など、振り返れば多くの人気作に足跡を残してきた。「みなさんに面白いな、また見ようと思ってもらえる俳優になりたい」と語っていた鈴木。まさにその目標が現実になっているような活躍ぶりだ。

■磯部正和
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。

■公開情報
『リベンジgirl』
12月23日(土)全国ロードショー
監督:三木康一郎
出演:桐谷美玲、鈴木伸之、清原翔、馬場ふみか、佐津川愛美、大和田伸也
原作:清智英・吉田恵里香『リベンジgirl』
脚本監修:吉田恵里香
脚本:おかざきさとこ
製作幹事:ギャガ/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(c)2017 「リベンジgirl」製作委員会
公式サイト:http://revengegirl-movie.jp/

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