年末企画:杉本穂高の「2017年 年間ベストアニメTOP10」 他作品では見られない“光るモノ”

杉本穂高の「2017年ベストアニメTOP10」

『我は神なり』

人を救うペテンと絶望させる真実、どちらに価値があるのか。ポスト真実と言われる今だからこそ、この問いは重い。

『亜人ちゃんは語りたい』

日本の『ズートピア』と言っていい作品だろう。あちらは動物擬人化で人種問題を描いたが、こちらは吸血鬼やデュラハン、雪女など伝承の存在を社会的マイノリティとして活写した。現代において重要なテーマを扱った作品だが、堅苦しくないのも良い。こんな寛容な世界に住みたい。

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

酷評の嵐だったので、こんな高い順位に入れるのは怖い。けれど、素晴らしい作品だと思うのだ。こちらについては以前書いたのでそちらを参照してほしい。(参考:『打ち上げ花火~』岩井俊二×大根仁×シャフトの組み合わせは本当に噛み合っていないのか?

『夜明け告げるルーのうた』

縦横無尽にアニメーションが動くことの面白さを再確認させてくれた。命なきものに命を与えるのがアニメーションであり、本作の死と生が地続きであるかのような物語に、動きと主題が絶妙にマッチした。アニメ―ションでなければできない作品だった。

■杉本穂高
神奈川県厚木市のミニシアター「アミューあつぎ映画.comシネマ」の元支配人。ブログ:「Film Goes With Net」書いてます。他ハフィントン・ポストなどでも映画評を執筆中。

■公開情報
『夜明け告げるルーのうた』
出演:谷花音、下田翔大、篠原信一、柄本明、斉藤壮馬、寿美菜子、大悟(千鳥)、ノブ(千鳥)
監督:湯浅政明
脚本:吉田玲子 湯浅政明
主題歌:「歌うたいのバラッド」斉藤和義(SPEEDSTAR RECORDS)
キャラクターデザイン原案:ねむようこ
キャラクターデザイン・作画監督:伊東伸高
アニメーション制作:サイエンスSARU
企画協力:ツインエンジン
制作:フジテレビジョン、東宝、サイエンスSARU、BSフジ
配給:東宝映像事業部
(c)2017ルー製作委員会
公式サイト:http://lunouta.com/

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