藤井隆、大野拓朗、前野朋哉……『わろてんか』を支える名バイプレイヤーたち
おたがいに口の利かなくなったてん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)を風鳥亭の面々が仲裁したかと思いきや、またしても藤吉が新たな火種を撒く。『わろてんか』(NHK総合)第10週「笑いの神様」では、“落語会の風雲児”と呼ばれる人気落語家・月の井団吾(波岡一喜)を風鳥亭の大看板にすべく、藤吉が毎晩、料亭で接待していた。そして、破格の契約金を払って団吾を出演させようとする藤吉に対して、ついに万丈目(藤井隆)ら芸人たちがストライキを起こすのだった。本記事では、物語の序盤よりドラマにユーモアを与えている万丈目(藤井隆)、キース(大野拓朗)、アサリ(前野朋哉)の3人にスポットを当てていく。
万丈目吉蔵/藤井隆
舞台を大阪・船場に移す第4週「始末屋のごりょんさん」から登場する、藤吉の古くからの芸人仲間であり、“全くおもしろくない芸人”。藤井隆といえば、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)のレギュラーや『Matthew's Best Hit TV』(テレビ朝日系)、『あらびき団』(TBS系)などの番組で、およそ20年という長きに渡り、お笑いタレントとして活躍し続ける人物だ。2000年には大ヒット曲「ナンダカンダ」で『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に出演するなど、歌手としてもマルチに活動している。他にも映画、声優、舞台……と彼のフィールドは多岐に渡るが、何といっても昨年放送の『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の印象が強い。エンディングで見せるキレのいい“恋ダンス”。最終回では日野秀司(藤井隆)の妻役として、実の妻である乙葉がサプライズ出演し、世間を驚かせた。そのハートウォーミングな演技は『わろてんか』でも、「万々亭」における歌子(枝元萌)との夫婦喧嘩などで垣間見える。
キース/大野拓朗
頭の回転が早く、機知に富むが、トラブルメーカーなところが玉に瑕なキース。演じる大野拓朗は、2010年に『キャンパスター☆H50』でグランプリを受賞したのをきっかけに俳優デビュー。昨年放送の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(NHK総合)で、青柳清を演じていたのが記憶に新しい。さらに先日、とろサーモンが優勝したことで話題の『M-1グランプリ2017』(テレビ朝日系)に、俳優という立場ながら、アサリ演じる前野朋哉とコンビを組み出場していた。『わろてんか』の役とは離れ、「モテ」をテーマにした2分のしゃべくり漫才で見事2回戦進出を決めている。役での大阪言葉をネイティブにするため、『わろてんか』クランクイン前に東京から大阪に引っ越す(参考:キース役・大野拓朗 インタビュー 連続テレビ小説 わろてんか |NHK_PR|NHKオンライン)など、キース役にかける情熱は計り知れない。
アサリ/前野朋哉
アサリは、何かと金銭問題で風鳥亭を騒がせる“にわか芸人”。前野朋哉は、2005年より映画、ドラマ、CM、監督……と様々な方面で活躍する人物だ。「au三太郎シリーズ」では一寸法師を演じ、連続テレビ小説『あまちゃん』『マッサン』、今期ドラマでは『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)、『コウノドリ』(TBS系)にも出演している名バイプレイヤーだ。加えて、『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)のナレーションは前野によるもの。先述した通り、大野とは『M-1』でコンビ・潮干狩を組む仲。大野とは『わろてんか』で共演が3回目ということもあり、息の合った演技を見せてくれている。