小泉今日子たちは生まれ変わることができるのか? 『監獄のお姫さま』が描く言葉の大切さ

『監獄のお姫さま』が描く言葉の大切さ

 閑話休題、慰問コンサートと称して、前川清がまさかの本人役で登場したのには笑った。「女も果物も、腐りかけが一番うまいもんね」と前川清に言わせてしまう宮藤官九郎脚本の面白さよ。親しみを込めて“大御所の無駄遣い“とも言われる、ご本人登場パターンはクドカンドラマの醍醐味でもある。「(角刈りにしたら)香田晋になっちゃうね」なんて言わせたり、前川清と小泉今日子のデュエットが実現するのも、ドラマならではだ。しかし、彼が歌った「花の時・愛の時」の歌詞は<切なくなる海の底で二人貝になりたい>は、ドラマや映画化された『私は貝になりたい』とリンクする。理不尽な裁判で死刑宣告を受けた清水(奇しくも彼の職業は理髪師だった)が「もう人間には2度と生まれてきたくない。生まれ変わるなら、深い海の底の貝になりたい」という遺書が綴られたストーリーは、TBSドラマの礎を築いたと言われるもの。

 果たして、彼女たちが本当の意味で更生=生まれ変わることができるのだろうか。来週は、ついに女優(坂井真紀)が犯した罪が明かされる。コメディタッチで描かれるドラマにおいて、彼女はムードメーカー。笑いと涙も、まさに紙一重。その明るすぎる笑顔に隠された、大きな哀しみに触れることになるだろう。ちなみに個人的には、小シャブに襲いかかったときの姫の豹変振りが気になった。勇介の父親が吾郎かどうかも、吾郎の証言から怪しくなってきた。そして、先生が「妊活を始めた」と話していたのも、妙にひっかかる。ここからの裏切り、大どんでん返しも大いにある。最後に爆笑するのは、一体誰なのか。

(文=佐藤結衣)

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■番組情報
火曜ドラマ『監獄のお姫さま』
TBS系にて毎週火曜22時〜
脚本:宮藤官九郎
プロデューサー:金子文紀、宮崎真佐子
演出:金子文紀ほか
出演:小泉今日子、満島ひかり、伊勢谷友介、夏帆、塚本高史、猫背椿、池田成志、坂井真紀、森下愛子、菅野美穂
主題歌:安室奈美恵「Showtime」
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/pripri-TBS/

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