有村架純、『ナラタージュ』で少女から大人の女へ 驚くべき『ひよっこ』とのギャップ

有村架純が魅せた女性としての変化

 松本潤が主演を務める映画『ナラタージュ』で、高校時代の担任教師であった葉山に思いを寄せる女性・泉を演じた有村架純。先日、最終回を迎えた『ひよっこ』(NHK総合)では、つねに前向きで純粋、働き者のヒロイン・みね子を演じていたが、『ナラタージュ』では教師との許されざる恋の苦しみを経験することで、少女が大人の女に変わる瞬間を体現している。


 『あまちゃん』(NHK総合)で小泉今日子の若き日を演じてブレイクした有村だが、彼女のパブリックイメージといえば“清純派”。実際、これまで映画やドラマで演じてきた役柄は“清純派”をイメージさせものが多く、『ビリギャル』で金髪ギャル姿を披露しても、はすっぱな感じはまったくなく、見た目とは裏腹に素直で頑張り屋の女の子という役柄は、有村にぴったりハマっていた。それと同様に『ひょっこ』でも“朝の顔”にふさわしいさわやかな演技を見せていたのは記憶に新しいところだ。

 そんな“清純派”の道を順当に進んでいた彼女だが、『3月のライオン』では主人公・桐山零の義姉であり、危うげで妖艶な雰囲気を漂わす悪女を演じた。撮影時期こそ『ひよっこ』より前だが、映画公開時にはすでに放送が始まっていた『ひよっこ』とのギャップに驚かされた人も多いのではないだろうか。


 しかし、『3月のライオン』で演じた幸田香子という女性は、劇中に登場するときにはすでにキャラクターとして仕上がっていたのに対し、『ナラタージュ』の泉は地味目の女子高生から大学生となり、久々に再会した先生・葉山への思いを再び募らせていくという、女性としての変化がある役柄。有村はその年齢的な違いだけでなく、高校時代の葉山に向ける純粋な気持ち、再会してから再び燃え上がる恋心、そして葉山から妻との離婚が成立していないと告げられた後のやりきれない思いを、細やかな目の演技で表現して見せている。とくに、葉山への思いを断ち切ろうと決意した後も、煮え切らない態度で電話をかけてくる葉山に対し、怒りにも似た表情で接している姿からは、どうしても葉山を忘れることができない泉の心の痛みと葛藤がまざまざと伝わってくる。

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