『過保護のカホコ』黒木瞳は”ヘリコプターペアレント”からの脱却なるか?

『過保護のカホコ』黒木瞳は良き母への発展途上?

 もちろん麦野は「どれだけ世の女性を虜にすれば気が済むんだ」と思えるほどの良い男。それでも親は、我が娘の結婚となれば、安定した職業についた相手を見つけてほしいと願うもの。以前泉が発した「世の中で一番関わっちゃダメなのは、役者とミュージシャンと画家の卵」という言葉は時代錯誤のようにも思えるが、いつの時代も親は子どもに苦労させたくない、幸せになってほしい、正しい道を歩ませてあげたいと必死なのだ。


 良き妻、良き母である初代が育てた娘たちは、泉をはじめ問題だらけの3姉妹。それに対して、泉の娘であるカホコは「人を幸せにする仕事がしたい」と願うまっすぐな女性に育っているという皮肉も、このドラマのおもしろさ。麦野やカホコの親族を見てもわかるように、子育てに正解はない。それでも親には、覚悟を決めて自分なりの答えを出さなくてはいけない時がやってくる。初代の病、カホコの結婚という山積みの課題を、母として今まさに発展途上の泉はどう乗り越えていくのか。根本家の女王様が導き出す答えを、ほんの少しの共感とともに見届けたい。

■nakamura omame
ライター。制作会社、WEBサイト編集部、専業主婦を経てフリーライターに。5歳・7歳の息子を持つ2児の母。ママ向け&エンタメサイトを中心に執筆中。Twitter

■放送情報
『過保護のカホコ』
日本テレビ系にて毎週水曜夜10時~
出演:高畑充希、黒木瞳、竹内涼真、佐藤二朗、中島ひろ子、梅沢昌代、濱田マリ、夙川アトム、西尾まり、久保田紗友、三田佳子、西岡德馬、平泉成、時任三郎
脚本:遊川和彦
音楽:平井真美子
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:大平太、田上リサ
演出:南雲聖一、日暮謙、伊藤彰記、明石広人
制作協力:5年D組
(c)日本テレビ
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/kahogo-kahoko/

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