『バイプレイヤーズ』の系譜を継ぐ『居酒屋ふじ』 役者が“本人役”を演じる理由とは
さらに、この『居酒屋ふじ』においては、セリフにも遊び心が仕込まれている。大森南朋が若い女を連れて店を出ていった大杉連に対し、「『バイプレイヤーズ』をやってから若い子に人気があるんだよ」とぼやくシーンや、第3話のゲストだった水川あさみが、じつは博多出身で、博多弁が抜けないのを悩んでいると告白するシーンでは、「うち、水川あさみとよ。クールビューティよ」と言う水川に対し、常連客の一人(諏訪太朗)が「人は見た目が100パーセント。その訛りじゃ、イメージがね…」とこぼす。このようにちょいちょい本人に関わるワードやエピソードが登場し、視聴者のツボをくすぐってくるのだ。
次週以降の本人役のゲストも、第5話の椎名桔平、第6話の長山洋子(居酒屋ふじの店内には、なぜか第1話から彼女のポスターが貼ってある)、第7話の前田敦子ら注目のキャストがずらり。彼らがどんな演技を見せてくれるのか、そして第1話に一瞬だけ登場して怪しい行動を見せていた篠原涼子が、今後、どのように物語に絡んでいくのか、期待が高まるばかりだ。
■馬場英美
映画ライター。「ザテレビジョン」「FLIX」「朝日新聞」等で、映画&DVD紹介、インタビュー記事を執筆。
■放送情報
『居酒屋ふじ』
テレビ東京系にて毎週土曜 深夜0時20分放送
出演:永山絢斗、大森南朋、飯豊まりえ、立石涼子、諏訪太朗、平田敦子、余貴美子、中村、村上淳ほか
監督:長崎俊一、国本雅広、瀬野尾一
脚本:根本ノンジ、山田あかね、粟島瑞丸、今西祐子
音楽:大友良英
チーフプロデューサー:浅野太
プロデューサー:倉地雄大、平体雄二、中村恵子
制作協力:スタジオブルー
製作著作:テレビ東京
(c)テレビ東京
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/izakaya_fuji/