『コード・ブルー』は月9ドラマを救うか? 複合的な群像劇への期待

群像劇が月9の新たな金脈になるか

 その点、7月17日スタートの『コード・ブルー』は、単なる医療モノではなく、前2シリーズからの変化も見られる。これまでフェロー(専門研修医)だった主要キャストが、年下のフェローを教える立場になったことで、群像劇の要素が倍増。成長してもなお未熟さを痛感させられるフライトドクターの難しさ、キャリアや結婚など人生の岐路、年下フェローの葛藤などが複合的に描かれていくだろう。

 山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介に加えて、新キャストに成田凌、有岡大貴、新木優子、馬場ふみか。彼ら1人1人の物語が盛り上がれば、群像劇がラブストーリーに変わる月9の新たなコンセプトになるかもしれない。

 いずれにしても、人気シリーズの第3弾、固定ファンの多い医療ドラマ、新垣結衣の人気沸騰など、ポジティブな要素が目白押しであり、『HERO』の続編が難しい以上、現時点で考えられる最善策とも言える。「6作連続ひとケタ視聴率」という不名誉な記録を終わらせ、月9再浮上のきっかけとなるのではないか。

■木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月間約20本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などに出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

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