『リバース』のタイトルには複数の意味が隠されている? 第7話までを徹底検証

 『リバース』(TBS系)は、そのタイトル通り10年前のある事件の記憶を“逆”再生して、真実に迫るドラマ。そのタイトルがカタカナであるため、様々な“リバース”がつながって楽しい。

 最初に思い浮かぶのは、やはり“Reverse”だ――。主人公の深瀬(藤原竜也)は、何をしても“裏目”に出るような冴えない人物だ。いわゆるスクールカーストでは下層に位置する目立たない存在。だが、大学では人あたりの良い広沢(小池徹平)という親友ができたことで、それまでの立ち位置とは“逆転”する。深瀬の特技はコーヒーを淹れること。広沢の実家で採れるミカンのハチミツを入れ、オリジナルの味を楽しむ毎日に心が満たされていた。さらに、活発な野球青年の谷原(市原隼人)、クールでイケメンの浅見(玉森裕太)、議員の父を持つセレブな村井(三浦貴大)と、ゼミ仲間として派手なグループに入ることもできた。やっと掴んだ幸せとそれを失う絶望は、まさに“裏表”。

 ゼミ仲間との卒業旅行で、行方不明になった広沢。酒を勧めた谷原、「車で迎えに来い」と言った村井、飲酒運転だとわかった上で「行ってくれる?」と頼んだ浅見。止めることができず、コーヒーを渡すことしかできなかった深瀬。それぞれが少しずつ罪悪感を持ちながら、10年の時が経った。そこに、送られてきた“人殺し”の告発文。それぞれが封印してきた記憶、バラバラに散っていた事実を拾い集めると、深瀬が見えていなかった事件の“裏側”が明らかになっていく。そして強く見えた人は弱く、いい人は悪い人に……事件関係者の印象が次々と“翻っていく”。

 第7話では、広沢の“反対”側の人間だったということがわかる。広沢の故郷で知り合った、幼なじみの古川(尾上寛之)は、深瀬と同じ地味グループの人間。広沢もまた同類だと思っていたが、実は東京でも堂々と過ごし、かわいい女の子とスマートに恋愛をする、古川や深瀬とは“反対”な性格だったのだと知った。さらに、広沢には結婚まで意識した彼女「かわちゃん」がいたことがわかった深瀬。愛と憎しみもまた“裏表”。告発文を送りつけるほどの憎悪を持つのは、それほど広沢のことを愛した人物に違いないと考えた深瀬と浅見は、同級生たちが語った今は看護師をしている「かわちゃん(夏菜)」を探す。

 だが、深瀬がやっとの思いで見つけたのは川本の方の「川ちゃん」だった。同じニックネームでよく周囲からも間違えられたふたりは、いずれも広沢と交際した過去があった。そして意外にも、川本の口から語られたのは「誰にでも優しくて、結局人のことを傷つけるんですよ。今思い出しても腹立つ。みんな自分の見たいとこしか見ないから」と、誰からも好かれる広沢をまるで恨んでいるような言葉。深瀬は、自分が広沢の1番の理解者だと思っていたのは、それこそ自分が見たいものしか見ていなかったのだと痛感するのだった。そして、告発文の犯人である「かわちゃん」は、隣のクラスの河部のほうの「河ちゃん」だと判明する。真相に近づくためのヒントが川と河の“Rivers”なところも、計算なのだろうか。

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