菅田将暉『帝一の國』“応援上映”に「楽しかった!」 活気溢れる現場をレポート

『帝一の國』応援上映&舞台挨拶レポ

 発声上映、合唱上映、絶叫上映などと銘打った、新たな映画の上映方法が人気を集めている。観客が上映中に大きな声を出して楽しむこうした上映方法は、『君の名は。』、『シン・ゴジラ』、『ラ・ラ・ランド』などのヒット作でも実施され、話題となった。

 5月17日、TOHOシネマズ 六本木ヒルズでは、『帝一の國』の応援上映が行われた。 本作は、古屋兎丸の同名漫画を実写化したもので、全国屈指の頭脳を持つエリート学生たちが集まる日本一の名門校・海帝高校に主席入学を果たした新1年生の赤場帝一が、生徒会長になるべく奮闘する模様を描く。菅田将暉が主人公の“生徒会長選挙に命をかける男”赤場帝一を演じるほか、野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗、志尊淳、千葉雄大ら人気の若手俳優が揃って出演している。

 筆者が一度、劇場で見た際は、コメディシーンでクスクスという笑い声が両隣から聞こえるほどで、たしかに声を出して楽しみたい作品だと感じた。イベント当日、上映前に菅田のアナウンスで、声出し、コスプレ、サイリウムの持ち込みが可能であることを伝えられ、劇中で歌われている校歌と素早く8回手拍子する練習時間も設けられた。

 上映が始まると、登場人物が画面に現れる度に「帝一!」などと、その名前を呼ぶ声と歓声が上がった。帝一の父親が登場するシーンでは「パパ」と呼んだり、帝一が妹から呼ばれている名前を真似して「にいに」と呼ぶなど、それぞれの視聴者ならではの楽しみ方が伺えた。帝一の喜怒哀楽と共に観客もまた一喜一憂し、彼の背中を押すように声援が飛び交っていた。また、海帝高校の文化祭「海帝祭」のオープニングを彩る“フンドシ太鼓”のシーンや、エンディング曲が流れる場面では、観客はそれぞれサイリウムなどを使って応援し、館内には音楽ライブのような一体感が生まれていた。

 この日の上映会に参加した観客に感想を聞いてみると、「一度、通常の上映で観たときとは全然ちがいました。思いっきり笑えるのが気持ちよかった。観ている人によってツッコミどころが違うのが面白くて、他の人が入れる合いの手につられて、つい笑ってしまった部分も多くありました」と回答。また、劇中で帝一が付けている鉢巻を手作りしてきた観客は、「歌詞を覚えてるんじゃないってくらい校歌を練習してきて、全力で歌いました」と、楽しんでいる様子だった。

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校歌の歌詞カードとサイリウム
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手作りの鉢巻

 応援上映終了後には、舞台挨拶に菅田将暉、野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗、志尊淳が登壇。菅田は、5月15日に新宿バルト9にて開催された応援上映にも観客として潜り込んでいたそうで、「みんなが自分のところで何を言うんかなーって思いながら観てましたね。笑いました。盛り上がりますね。最初に『東宝』って出てきただけで、『ありがとう東宝~! ありがとうフジテレビ!』って言うてたから。そこから感謝すんのやっていう。楽しかったですよ」とコメントした。また、「意外な反応がたくさんあって、佐々木(1年6組副ルーム長)大人気やなって」とも述べた。

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菅田将暉

 また、この日、別室で応援上映の模様を観ていた竹内は、「校歌ちゃんと歌ってくれてる人いてすごいなと思いました。音程が激しいんで撮影ではけっこう苦戦して、撮影の間際までみんなで一緒に聞いて練習してましたね。みなさん歌えるようになってたからすごいなぁって」と関心していた。また、野村は「サイリウムがめっちゃ光ってたからみんな顔怖かった」と語り、会場を笑いで包んだ。

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(左から)志尊淳、竹内涼真、菅田将暉

 もし自分が応援する立場だとしたら、との質問に対しては、菅田は“フンドシ太鼓”のシーンを挙げ、「盛り上がりどころなので、あそこでいっぱいはしゃぎたいですね」と語り、志尊は自身が演じる榊原光明役について、「光明といったら、“ニャン”という言葉を付けるじゃないですか。映画館で観てて、『いきなりこいつニャンとか何言ってんだよ』って思うんですよ。そういう時に皆さんが一緒に言ってくれたら緩和されるかなと思うので、嬉しいかなと思いますね」と話した。

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志尊淳
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間宮祥太朗

 舞台挨拶の後半には、共演メンバーが集まるのは最後の機会ということで「卒業セレモニー」と題し、竹内、志尊、野村、間宮から菅田へのメッセージを伝える場面も。竹内は「また一緒に作品をやって、日本の映画界を一緒に盛り上げられるように僕も頑張るんで、映画終わって終わりじゃなくて、一生仲間として一緒にやっていけたらなと思います」と伝えた。また、志尊は「菅田くんに少しでも近づけるように必死でもがいてたんですが、帝一と光明という間柄を撮影中もずっと引っ張ってくれていたのは菅田くんで、僕は何もできない。だけど、ずっとその菅田くんに着いていくことで今回、僕が光明を作れたことに繋がってると本当に思いました」と、菅田への感謝を伝えた。間宮は「今日じじい(千葉雄大)がいないけど、こうやってみんなで集まれて、その映画が大ヒットして、素晴らしいことだと思います。本当に僕らの世代の代表作になった」と語り、野村は「昔はちょっとね、ライバル視してピリピリしてる時もあったけど、年とって2人でね、ちょっと刃物が丸くなったみたいな。ある意味、すごい腐れ縁な訳で、今回のキャスティングも菅田くんの腐れ縁役としてやれて良かったと思いますわ。これからも負ける気とかはないし、ずっと高め合っていけたらなと思います」と、今後の意気込みを語っていた。

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(左から)野村周平、志尊淳、竹内涼真、間宮祥太朗、菅田将暉
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野村周平、菅田将暉

 応援上映は、思いっきり笑ったりすることができるだけではなく、一緒に観ている人の意外な注目ポイントに気づき、より映画を楽しめるようだ。同作は、この日の上映をもって、動員数100万人を突破。応援上映でますます人気が加速しそうだ。

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野村周平
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竹内涼真
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野村周平、間宮祥太朗
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竹内涼真、菅田将暉
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(左から)間宮祥太朗、志尊淳、野村周平、竹内涼真、菅田将暉

(取材・文=大和田茉椰)

■公開情報
『帝一の國』
公開中
出演:菅田将暉、野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗、志尊淳、千葉雄大、永野芽郁、吉田鋼太郎
監督:永井聡
脚本:いずみ吉紘
原作:古屋兎丸(集英社『ジャンプSQ.』)
企画・製作:フジテレビ
制作プロダクション:AOI Pro.
配給:東宝
(c)2017フジテレビジョン 集英社 東宝
(c)古屋兎丸/集英社
公式サイト:teiichi.jp

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