キスマイ藤ヶ谷はドM男に……春ドラマに見る、ジャニーズ勢が演じる役柄の変化
4月から新ドラマが続々とスタートする。V6井ノ原快彦が『警視庁捜査一課9係 season11』(テレビ朝日系)で安定の活躍を見せたり、KAT-TUN亀梨和也が山下智久と『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)で12年ぶりの共演をしたり、Hey!Say!JUMPの中嶋裕翔が『母になる』(日本テレビ系)で陰のある役に挑むなど、今シーズンもジャニーズ勢が大活躍だ。
新ドラマの一覧を見ていると、ジャニーズメンバーが演じる役柄に変化を感じる。以前に比べて、王道のヒーローが少ないように思うのだ。誰もがひと目で恋に落ちてしまうような王子様のキャラクターは、今シーズンでは見当たらない。月9ドラマ『貴族探偵』(フジテレビ系)の嵐の相葉雅紀に至っては、上流階級の出身ということ以外すべてが謎という設定であるし、同じく探偵ドラマであるKAT-TUN中丸雄一主演の『マッサージ探偵ジョー』(テレビ東京系)はコントドラマのようなコミカルさが印象的。
完全無欠のヒーローから、視聴者がツッコむ隙を許した身近な存在へ。ジャニーズ勢が演じる役柄は、その時代にあるリアルなイケメン像を反映しているのかもしれない。それは、かつて『美男子ですね』(TBS系)で連続ドラマ主演を果たし、その後も次々とイケメンキャラで主演作品を生み出してきたKis-My-Ft2の玉森裕太と藤ヶ谷太輔にもいえる。今シーズンは、ふたりとも主演ではなくミステリードラマのカギを握る重要なポジションに挑戦している。しかも、それぞれのパーソナルイメージとは異なる役柄にチャレンジしているという共通点がある。
玉森裕太が出演するのは、湊かなえ作品をドラマ化した金曜ドラマ『リバース』(TBS系)。藤原竜也、戸田恵梨香、市原隼人など主演クラスのメンバーが集結した話題作だ。玉森は、大学のゼミ旅行先で事故死した仲間の秘密を共有する浅見を演じる。高校の社会科教師であり、ストイックな性格ゆえに生徒や保護者と衝突することも珍しくない、という役どころだ。撮影は、まつ毛も凍るほどの極寒の中で行なわれ、まさにストイックな役者魂を感じさせるエピソードも語られているが、実際の玉森が持つパーソナルイメージは“フワフワときどきドS”で、つかみどころかない。マイペースかつ嫌味のない性格で、ファンからも“天使”と呼ばれることも。どちらかといえば周りが放っておかないタイプの玉森が、仲間をまとめてリーダーシップを取る浅見をどう表現していくのか。しかも、27歳の玉森が5歳も年上を演じるという意味でも、これまでに見られなかった玉森の“大人の男”の部分が引き出されるかもしれない。本作は、第1話から見逃せないミステリー。ぜひ初回からチェックしたい。