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木村拓哉 × 浅野忠信 × 及川光博、三つ巴の演技合戦! 『A LIFE』で浮き彫りになる名優たちの個性

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 木村拓哉の主演ドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』(TBS)が、役者陣の熱演により盛り上がりを見せている。12日に放送された第5話の平均視聴率は13.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、前回の12.3%から1.6%回復。武田鉄矢がゲスト出演したほか、木村拓哉と浅野忠信らの競演や、及川光博の迫真の演技にも注目があつまった。

 第5話では、本作のヒロイン・壇上深冬(竹内結子)の脳腫瘍が悪化し、次第に症状が出る中、元恋人で超一流の外科医である沖田一光(木村拓哉)と、副院長兼脳外科医で深冬の夫である壇上壮大(浅野忠信)が苦悩する姿が描かれた。沖田と壮大は幼馴染で、過去には因縁もある間柄だが、深冬を救いたいと思う気持ちは一緒だ。壮大は、とても不可能と思える彼女の手術を成功させる可能性を持つのは、沖田しかいないことをよく知っていて、彼を頼らざるを得ないことに葛藤を抱えている。

 一方で、第一外科部長の羽村圭吾(及川光博)は関東医師会の事故調査委員に選ばれ、壮大と羽村にとっての恩師である医師・山本(武田鉄矢)が、かつて恣意的に医療事故を起こしていた可能性があることを知る。羽村は恩師を守ろうと画策するが、問題の患者の再手術を担当するのは沖田だった。そして沖田は、山本が自らの実績作りのためにわざと不完全な手術をしたことを見抜き、羽村と対立する。

 登場人物たちのさまざまな思惑が交差し、濃密な人間関係が描かれた回で、役者陣がお互いに渾身の演技をぶつけていたのが印象的だった。まずは、木村拓哉と浅野忠信の演技合戦だ。木村は今回、職人気質で純粋に患者を救うことに全精力を注ぐ医師という役柄で、あまり感情的にならない、抑えた演技に徹している。いつものクールなキムタクらしさはありつつ、全体的にトーンを落としたことでより張り詰めた緊張感を演出していて、映画的なアプローチともいえそうだ。

 対する浅野忠信は、近年の映画作品で見られるような“得体の知れない存在感”を抑え、むしろ感情的で俗物的な人物を演じている。特に顔の表情はオーバーアクト気味で、よりテレビドラマ的な演技だといえよう。ドラマ評論家の成馬零一氏は、「役と本人の境遇を近づけるのであれば木村と浅野が演じる役は逆だった方が、座りがよかったのかもしれない。しかし、役者の経歴と演じる役が真逆であることによって、二人の関係が鏡を見ているかのような対比に見えてくるのが本作の面白いところ」と指摘しているが、今回ふたりが長椅子に並んで座り、竹内結子演じる深冬の病状を案じるシーンは、まさに彼らの演技プランの対比を浮き彫りにしていたのではないだろうか。ドラマ界の名優と映画界の名優が、それぞれ相手側のフィールドに寄った演技をすることで、かえってふたりの役者像を明確にしているのがとても興味深い。(参考記事:木村拓哉と浅野忠信の共演は、日本エンタメ史に残る“事件”だ

 名バイプレイヤーとして確かな評価を得ている及川光博演じる羽村もまた今回、ふたりに負けない存在感を見せていた。壮大と羽村は共に医師・山本を恩師に持つ間柄だったが、壮大は山本の過失を病院間の駆け引きとして利用しようとし、羽村は過失を隠蔽しようとする。どちらも倫理にもとる判断ではあるが、しかしそれぞれに組織や恩師を守るという大義名分もある。そんな中、壮大は羽村に対し、「お前が守ろうとしているのは自分だ!」と辛辣な言葉を浴びせ、一見すると知性的で穏やかな羽村の仮面を剥ぎ取った。

      

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