『カルテット』『就活家族』『東京タラレバ娘』『嘘の戦争』…見逃せない新ドラマは?【プライムタイム編】

新春ドラマ、プライムタイムの見どころ

 さてさて、2017年が始まりました。今年の正月は例年よりも短く、4日から会社が始まる人も多いよう。そのせいか、冬の民放連続ドラマのスタートも、今年は各局早めの印象。8日の『大貧乏』(フジテレビ/21時~)を皮切りに、続々と放送が開始されます。今クールは、どのドラマを観ましょうか? ということで、今季もまた、これから始まる民放連続ドラマを一挙チェックしていきたいと思います。例によって「プライムタイム」のドラマをチェックする「前編」と、「深夜ドラマ」をチェックする「後編」の2本立て。まずは前編、「プライムタイム」の連続ドラマから。

『逃げ恥』大ヒットで士気上がるTBS

 最終回の視聴率が20.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)を記録するなど、大きな反響を呼んだ『逃げるは恥だが役に立つ』の成功で士気上がるTBSは、その『逃げ恥』のあとを受けて、冬の軽井沢を舞台とした大人の人間ドラマ『カルテット』(1月11日(火)22時~)をスタートさせます。『最高の離婚』(フジテレビ/13年)、『問題のあるレストラン』(フジテレビ/15年)、そしてちょうど一年前の『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ/16年)など、ドラマ好きから圧倒な支持を獲得している脚本家・坂元裕二が、フジテレビからTBSに局を移して送り出すオリジナル作品となった本作。偶然の出会いから弦楽四重奏団(カルテット)を結成することになった4人のメインキャストを、松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平という、人気・実力ともに申し分ない役者たちが演じる、今季最も期待度の高い一本です。

 注目度では、こちらも負けていません。木村拓哉主演の『A LIFE ~愛しき人~』(1月15日(日)21時~)。大病院を追放されアメリカに渡っていた医師(木村)が、元恋人の父である院長(柄本明)に請われて帰国。再び大病院の政治のなかに身を投じるという本作。その“元恋人”である女医役を、木村との連ドラ共演は『プライド』(フジテレビ/04年)以来約13年ぶりとなる竹内結子が、そして彼女の現在の夫であり、主人公とライバル関係にある副院長役を、スコセッシ監督の映画『沈黙-サイレンス-』の公開も間近に控えた浅野忠信が演じることも話題の一本となっています。

 そして3本目は、阿部サダヲと深田恭子が“中卒”夫婦を演じる『下剋上受験』(1月13日(金)22時~)。中卒の父と偏差値41の娘が、受験塾にも行かず二人三脚で最難関中学を目指した“奇跡の実話”であるベストセラー書籍のドラマ化となる本作。こちらは、“泣かせる演技”には定評のある阿部と、“元ギャルのママ”役という新境地に挑む深田、そして彼らの娘を演じる子役・山田美紅羽が織りなす“熱血家族愛”が売りのハートフルなコメディ作品となっているようです。

人気長寿シリーズ多し。安定のテレビ朝日

 昨秋、4期目となる『ドクターX ~外科医・大門未知子~』で、2016年の民放連続ドラマ平均視聴率第1位となる21.45%を叩き出すなど、安定した人気シリーズを数多く抱えるテレビ朝日。こちらは、昨秋から年をまたいで、水谷豊主演の『相棒 season15』(毎週水曜21時~)が放送中。2月11日からは『相棒 -劇場版Ⅳ- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』の公開も予定しているとのことで、そちらとのリンクも気になるところです。さらに、それを上回る長寿シリーズとなっている沢口靖子主演の『科捜研の女 season16』(毎週木曜20時~)も、年をまたいで放送中。両者とも「正月スペシャル」を挟んでの継続となります。

 などなど、他局とは異なり、約半年続く人気シリーズで年を越えたテレビ朝日が、唯一プライムタイムに送り出す新ドラマ、それが『就活家族~きっと、うまくいく~』(1月12日(木)21時~)です。三浦友和と黒木瞳が夫婦役を、その娘・息子役を前田敦子と工藤阿須加が演じるという本作。大手鉄鋼メーカーの人事部長であるエリートサラリーマンの夫と、私立中学で国語教師を務めている妻。そして、宝飾メーカーで働く長女と、現在就職活動中の長男。一見、平穏であるかのように思える家族が、それぞれの胸の内に抱える秘密や悩みを端緒として徐々に崩壊し、やがて全員が“就活”することを余儀なくされるという、思いのほかハードな展開が明らかにされている本作ですが、『熟年離婚』(テレビ朝日/05年)、『華麗なる一族』(TBS/07年)などで知られる脚本家・橋本裕志は、その最後にどんな“新しい家族像”を描き出していくのでしょうか。映画『葛城事件』での怪演も記憶に新しい、ベテラン・三浦友和の主役ぶりに期待です。ちなみに、某インド映画とは、特に関係は無いようなのでご注意を。

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