『過激派オペラ』早織&中村有沙が語る、壮絶な撮影現場と過激なラブシーンに挑んだワケ

早織&中村有沙が振り返る『過激派オペラ』

早織「有沙ちゃんにはめちゃくちゃ甘えさせてもらった」

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ーー2人とも若くして芸歴10年以上のキャリアを積まれていますが、今回初めて共演してみていかがでしたか?

早織:私はすごく淡白というか、執着心に乏しいところがあるんですが、ナオコは人に対して執拗にアプローチをしながら、好きになった人をとことん追いかけ回す。私とは真逆の性格の人間でした。なので、ある意味自分の中で拒否しているような部分を掘り下げていく必要があったんです。有沙ちゃんにはその過程ですごく助けてもらいました。休みの日まで私のセリフ合わせに付き合ってもらったりとか、めちゃくちゃ甘えさせてもらいましたね。ひとりではいられない心境になっちゃったんですよ。誰かを巻き込まずにはいられない、みたいな。本当は共演者に向かって言いたくないんですけど、「あなたのここが嫌い」とかを言い合ったりもして(笑)。

中村:そういうのありましたね(笑)。リハーサルでもそういうことが結構あったから、「毛布教」メンバーで巻き込まれずにすんだ子はいないですよね。

早織:例えば、江本さんが私に対して怒ったりしている時って、みんながその光景を見ているし、聞いているんですよ。江本さんはキャストひとりひとりが自立していくことを求めていたので、江本さんが私に言うことは、ほかのみんなにも言われる可能性がありました。

中村:確かに自立していないとやっていけない現場ではありましたね。一瞬の甘さも許されなくて、少しでも緩んだら、空気が一瞬で変わってしまう。私ですらそういう感じだったので、みんなを引っ張るナオコ役の早織さんは、その何倍も大変だったと思います。私なんか、すごく甘いなと思いましたね。

早織:私、これまでの自分が甘いとは思っていなかったんですよ。でも、その自分への過信が甘かったなって。鼻っ柱をバーンとへし折られたみたいになりました。

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ーー「毛布教」メンバーをはじめ、共演者も個性豊かな方々が集まっていますよね。特に印象に残っている方はどなたですか?

早織:私、安藤玉恵さんがすごく好きな女優さんだったので、今回お会いできてうれしかったです。共演しているのは1シーンだけなんですけど、撮影に入る前に私たち2人の状態を見て、「心中お察しします」って(笑)。

中村:それまでの撮影の様子を聞いて「そっか……」って感じでね(笑)。あのシーンは本当に一瞬だけだったんですけど、そこで強烈な印象を残せる玉恵さんは本当にすごいです。あと「毛布教」のメンバーは1人につき5時間かかるぐらいエピソードが盛りだくさんですね(笑)。

早織:確かに(笑)。今回の映画の中のキャラクターって、演じる本人からも引き出されている部分があるんですよ。(桜井)ユキちゃんとかは、すごくしっかりしているけど、ちょっと抜けているところもあったりとか。

中村:(森田)涼花ちゃんとか、まんまの人もいますからね。涼花ちゃんとはこの作品の撮影のあとも同じ舞台に出ていたのでずっと一緒だったんですけど、プライベートで接してみると、あのマイペース感は役のまんまだなって。

早織:マイペースだけど、優しくて仲間思いな感じとかね。ナオコに関しては、本来の監督のイメージとは離れて、私の情けない部分が出てきてしまっています(笑)。

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ーー「毛布教」メンバーみんなが下着姿になって、ホースで水を掛け合いながら町へ出て行くシーンはとても印象的でした。

早織:よかった! それはすごく嬉しいです。

中村:でも、私あのシーンで服を脱げなかったのが心残りなんですよ。

早織:えっ、脱げなかったの?

中村:服が足に引っかかっちゃってるんですけど、あれはリアルです(笑)。でも楽しかった!

早織:撮るまでは大変だったけど、すごく楽しそうに見えるよね。あのシーンは1回濡れちゃうともうダメだから、何があっても続けるという感じでとても緊迫感がありました。

ーー早織さんはバッサリと髪を切って外見的にも大きな役作りをされていますよね。

早織:最初から髪は短くするんだろうなとは思っていたんですけど、あそこまで短髪にするとは私自身も想像していなかったんですよ。でも、監督が「潔い髪型がいい」と仰って、監督がそう言うなら私としてもそうしたいと言って、バッサリと切らせてもらいました。中学生の頃、ボーイッシュな女の子に憧れてベリーショートにしていたんですけど、それ以来の短さでした。懐かしく感じつつも、大人になって短くするとまた違う感覚でしたね。若い頃の父親に似てると思いました(笑)。

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