シネコンの上映作品はどう選ばれる? “どこも同じ”になりがちな編成事情と、各館の差別化戦略

シネコンの上映作品はどう選ばれる?

 東京は立川にある独立系シネコン、【極上爆音上映】などで知られる“シネマシティ”の企画担当遠山がシネコンの仕事を紹介したり、映画館の未来を提案するこのコラム、第7回は“シネコンの上映作品編成”について。 (メイン写真:『神様の思し召し』より)

 シネコンは「どこも同じ」だと言われます。建物の作りもなんとなく似ているし、それに上映している映画もほとんど変わらないじゃないか、と。本当でしょうか?

 これを執筆している8月16日時点の全国の主要都市にあるシネコンの上映作品を調べてみました。特に深い意図はなくピックアップした9館。いずれもスクリーン数は10~12です。

TOHOシネマズ新宿
川崎チネチッタ
大阪ステーションシネマ
109シネマズ名古屋
コロナシネマワールド小牧
イオンシネマ岡山
ユナイテッドシネマ キャナルシティ福岡
MOVIX仙台
札幌シネマフロンティア

 これに僕が勤めている「立川シネマシティ」を併せて10館。これくらい調べれば見えてくるでしょう。  

 さて、まず結論から。 現在が夏休み興行中ということも大きいのですが、いやあ、驚くほど“どこも同じ”でした(笑)。 

 共通して上映されている作品を挙げてみますと、

『シン・ゴジラ』
『X-MEN:アポカリプス』
『ジャングル・ブック』
『秘密 THE TOP SECRET』
『ルドルフとイッパイアッテナ』
『ターザン:REBORN』
『ONE PIECE FILM GOLD』
『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧のマギアナ』
『ファインディング・ドリー』
『インデペンデンス・デイ リサージェンス』
『それいけ!アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ』
『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』
『ペット』
『劇場版アイカツスターズ!』
『劇場版 仮面ライダーゴースト/動物戦隊ジュウオウジャー』
『HiGH & LOW THE MOVIE』
『TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ』
『ロスト・バケーション』

 これですべてです。トータル18本。 もちろん全作品を全劇場で上映しているのではなく、何本かをやったりやってなかったりします。少し前の作品をまだ延長して上映している劇場もありました。

 上記以外の作品を上映していたのは以下のシネコンです。延長上映は外します。

川崎チネチッタ:『シング・ストリート』『ヒマラヤ 地上8000メートルの絆』『アクセル・ワールド INFINITE∞BURST』『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY』 
大阪ステーションシネマ:『栄光のランナー/1936ベルリン』『ニュースの真相』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』
109シネマズ名古屋:『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY』
ユナイテッドシネマ キャナルシティ福岡:『アンフレンデッド』
MOVIX仙台:『アクセル・ワールド INFINITE∞BURST』 
札幌シネマフロンティア:『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY』『アクセル・ワールド INFINITE∞BURST』
立川シネマシティ:『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『劇場版ガールズ&パンツァー』『セトウツミ』『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY』  

 川崎チネチッタ、大阪ステーションシネマ、ユナイテッドシネマ キャナルシティには“劇場の意思”が感じられる作品があります。立川シネマシティは…ひとまずおいておきましょう(笑)。  

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