中村倫也、古川雄輝、柾木玲弥……新鋭の“塩顔”スターたち 俳優としての強みと個性

 “塩顔”といわれる俳優たちがいま、再び注目を集めている。2012年の『JUNON』(主婦と生活社)にて特集されて以来、たびたび話題となってきたが、最近はさらに勢いを増している印象だ。2015年に“塩顔王子”こと坂口健太郎が活躍し、一躍人気俳優の仲間入りを果たしたことがキッカケの1つだろう。坂口にほかにも、瑛太、綾野剛、向井理、長谷川博己、加瀬亮、森山未來、神木隆之介といった“塩顔”俳優たちが、現在活躍の場を広げている。その中でも徐々に役者として注目を集めてきた新鋭と言われる3人を紹介したい。

中村倫也

 今年放送されたドラマ『お義父さんと呼ばせて』では女装姿も披露し、お茶の間を沸かせたのが記憶に新しい。SNSでは中村倫也に対し「女装可愛いすぎてキュン死した」「麗しい。違和感がない」「中村倫也という新たな塩顔イケメンが現れた」など絶賛の声が上がった。

 また、今年公開された『星ガ丘ワンダーランド』では主演・瀬生温人役を務めた。幼い頃に母に捨てられた過去を持ち、星ガ丘駅の落とし物預り所で働く駅員という役どころだ。当時のインタビューで中村は、役者としての醍醐味を 「僕は役者として、人間の持つ矛盾とか葛藤とか、いろんな感情が揺れている様とか、そういったものもひっくるめた人間の業みたいなものを表現するのが好きなんです」と話している。(引用:Culture『星ガ丘ワンダーランド』中村倫也インタビュー

 7月19日から放送される『闇金ウシジマくんSeason3』(TBS系)で謎の男・神童大道役を演じることについてのインタビューでは、「単純な表現や見せ方はいくらでもあるけど、いくら外側だけを取り繕っても中身が空虚だけになってしまったら意味がないと思ったので。そうして自分が準備したものを本番の瞬間に、どれだけ見せることができるか。1シーン、1シーンがチャレンジでしたね」と自身の演技のスタンスと、役柄を丁寧に作り上げていることを語った。

 そんな中村を『日本で一番悪い奴ら』でメガホンを取った白石監督は、先日行われた“7日間連続トークイベント”で「芝居がうまいのは当たり前で、スケール感がある。引き出しの多さもさることながら、同じ芝居を9割9分の確率で同じことができるんです。ぶれない芝居はやろうと思えばできる役者も多いのですが、テンションや新鮮さを保つのが難しいんです。でも、中村君はそれができる」と絶賛。

 演技力だけではなく歌やダンスにも定評がある中村は、映画やドラマのほか舞台でも活躍している。さらに、その柔和な雰囲気と美しい容姿から、現在女性ファッション誌でも多く取り上げられており、今最も注目されている塩顔俳優のひとりといえるだろう。

古川雄輝

 2013年に放送された『イタズラなKiss~Love in TOKYO』(フジテレビ系)で主演・入江直樹役を演じ、日本もさることながら中国でも大ヒットを記録し、絶大な支持を得た古川雄輝。9頭身というスタイルの良さとその爽やかな麗しいルックスから、中国版ツイッターWeiboではフォロワー数が150万人を超え、「男神(=「憧れの男性」という意味)」と呼ばれている。さらに、中国の配信会社「iQIYI」(アイチーイー)が主催するアワードにて「アジア俳優賞」を日本人として初めて受賞した。中国のテレビ番組にもよく出演し、古川が訪れるたびにちょっとした騒動になるほど圧倒的な人気を誇っている。

 2015年に公開された『脳内ポイズンベリー』や、『5→9~私に恋したお坊さん~』(フジテレビ系)などで日本でも注目を集め、「イケメン過ぎる」「古川雄輝になりたい」「可愛すぎて神の領域」といったように称賛の声が相次いでいる。今年公開された『ライチ☆光クラブ』ではゼラ役を務めた古川。当時のインタビューで役作りの仕方について「漫画の世界観をそのまま映画化するときに、リアリティを持たせることが重要だと感じたんです。徐々に狂気的になっていくキャラクターなので、そこにピークを持っていくために逆算しながら役作りしたり。練っていかないとできない役でした。最初から台本ができあがっている映画だからできる役作りです」と作品の世界観と演じる役柄を研究し、柔軟に対応していることを明かした。

 ファンの間で“リアルハイスペックと言われている古川は、持ち前の語学力や知性を活かし、ワールドワイドな俳優としてこれからのさらなる飛躍が期待できる。

柾木玲弥

 次世代のエースと呼び声高い柾木玲弥は、1995年3月24日生まれの現在21歳。2012年に放送された『高校入試』(フジテレビ系)がキッカケで注目を浴びる。さらに、2013年に配信されたSoftBankのCM、iPhone 5 SMILE「出会い」篇に出演し「あの塩顔イケメンは誰だと!?」と話題になった。以降、順調に出演作を重ね、様々な役柄に挑戦している。

 2013年に公開された『ガチバンZ 代理戦争』では主演・渋若剛毅役19作目5代番長を務め、当時のインタビューでは「結局は自分でしかないです。“柾木玲弥”でしかなくて。だから“柾木玲弥にしかできない“、“柾木玲弥の演技をすればいいんだ”ってことを演じていく中で掴んだ作品でしたね。演技についての考え方が変わったり、目標の定め方にも影響を受けた作品だと思います」とコメント。作品を通して今も成長し続けていることを伺わせた。(引用:柾木玲弥 | 芸能人インタビュー | Deview-デビュー

 成績優秀な優等生、バット片手に人を倒していく最強ヤンキー、車椅子にのる病弱な少年、前髪を目の下まで伸ばした根暗なエスパー使い、人間観察が好きな真面目な生徒会広報など、柾木が演じる役柄の幅は広く、カメレオン俳優と囁かれるほど着実にキャリアと実力を身に着けている。多くの可能性を持っている柾木が、これからどう変化していくのか楽しみだ。

 人々を魅了する美しい容姿だけでなく、確実に演技の面でも力をつけている彼ら。そんな塩顔俳優たちから今後も目が離せない。

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