>  >  > 松本潤主演『99.9』第7話を振り返る

松本潤主演『99.9』第7話は“ミステリー”から“サスペンス”へ 斑目法律事務所はどう結託したか

関連タグ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
realsound-arashi.jpg(C)タナカケンイチ

 大手ホビー会社の社長が殺害される事件が起きて、会社のナンバー3である専務(嶋田久作)が逮捕される。これまでの事件と異なっているのは、もうドラマが始まった導入の時点で、真犯人の存在を視聴者は知っているということだ。これまでは、導入部に事件概要が登場しても、最終的に一捻り加えられて真犯人の存在が明らかになるパターンであったが、今回はそうではない。逮捕された専務の弁護依頼を斑目法律事務所に持ちかけた、会社の副社長(高嶋政伸)が真犯人であると、最初から判っているので、必然的にこの副社長の嘘を暴くというのが、『99.9 刑事専門弁護士』の第7話の大筋だと判るわけだ。

 主人公たちが、事件について捜査していくうちに真実に辿り着くという流れは共通していても、視聴者がその真実を知っているかいないかでは、ドラマのジャンルとしての意味合いが変わってくる。これまでのように、最後に明かされる真犯人に辿り着くまで、推理していくやり方は所謂“ミステリー”の方法論であり、今回のようなすでに明示された真犯人との攻防を見せる方法は“サスペンス”なのである。

 事件現場に残された留守番電話を聞こうとする深山(松本潤)たち弁護士チームと、それを消そうとする副社長の攻防の場面は、まさにサスペンス要素の強い場面であった。もっとも、真犯人のわかり易すぎる行動が端的に描かれる点は多少気にかかるが、たくさんの小ネタを織り交ぜながらユーモラスに描くこのドラマの見せ方には、サスペンス基軸の描き方のほうが向いていると思える。どうしても主人公たちとともに推理しながら見ることを意識してしまうこれまでのテイストでは、大量の小ネタで意識が分散してしまうのである。おそらくそれが、緩急のアンバランスを感じさせていた一因なのだろう。

 前回・前々回と2週にわたり、第1話から伏線として張り巡らされていた弁護士vs検察の対決構図を少しずつ回収していたことを考えると、検察の思惑が絡まない1話完結の案件を挿し込むということは、最終回に向かう途中でちょっと寄り道をしているようにも思える。あくまでも今回の主題は、斑目法律事務所全体の結束ということだろう。その点で、これまでなかなか打ち解けていなかった、企業法務弁護士の志賀の存在が大きくなる。

 志賀を演じている藤本隆宏という俳優、弁護士らしからぬ体格でなかなか目を引く存在感があるが、元々は水泳のオリンピック選手だったというのだからかなり異色なキャリアを持った俳優だ。これまであまり意識していなかったが、舞台を活動の中心とし、最近では大河ドラマ『真田丸』や、前クールに放送された『フラジャイル』での救命医役など映像演技でも急激に注目を集めている存在だ。

 第1話の頃から、企業法務チームから抜けた佐田(香川照之)と妙に対立しあう関係で、第4話での捏造された強制わいせつ事件の際に、刑事事件チームに協力的な姿勢を示す。これは、パラリーガルの戸川(渡辺真起子)に好意を寄せているという邪な考えによる行動であったが、今回はそういうわけではない。自身が顧問弁護を務める企業の社内で起きた事件であり、そのため積極的に事件に関与し始めるのだ。

      

「松本潤主演『99.9』第7話は“ミステリー”から“サスペンス”へ 斑目法律事務所はどう結託したか」のページです。の最新ニュースで映画をもっと楽しく!「リアルサウンド 映画部」は、映画・ドラマ情報とレビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版