大泉洋、安田顕、戸次重幸……TEAM NACSが映画・ドラマで引っ張りだこの理由

 そして、彼らを見る「われわれ視聴者の目が好意的になる」という側面もあるだろう。『水曜どうでしょう』などのバラエティー番組で見せる彼らの脱力した姿、ブレイクした今なお地元・北海道での活動を重視する方針に、親近感を抱く人は多い。人気も収入も上がったのに、「まだ学生時代の友達とまだつるんでいるの?」と思わせるようなバカバカしいことをやり続けているグループは、群雄割拠の芸能界でも彼らだけだ。

 小バカにするにしても、演技をホメるにしても、彼らを見る視聴者の目は温かい。愛され度の高いメンバーがそろっているからこそNACSの舞台は盛り上がるし、その熱は映像の世界にも着実に波及している。脇役として輝く上に、個人の人気も高まったことで、主演の仕事も増えているが、20年もの間、謙虚な姿勢を保ってきた彼らなら、自分の立ち位置や持ち味を見失うことはないだろう。

■木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組にも出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

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