松田翔太、父・松田優作の“ハードボイルド”を継承するか? 『探偵物語』から『ディアスポリス』へ
そんな松田翔太が30歳という節目に、もし映像化することがあれば自分が主人公を演じたいと熱望していた『ディアスポリス−異邦警察−』を演じることになった。東京にいる密入国外国人が、自分たちを守るために秘密組織「異邦都庁(通称:裏都庁)」を作り上げ、そこにある異邦警察「ディアスポリス」に所属するただ一人の警察官・久保塚早紀の活躍を描いた物語だ。久保田は原作者が松田優作をイメージして作ったキャラクターだそうで、無国籍でアンダーグラウンド、雑踏な街、雑居ビルの屋上、オシャレなファッションと部屋の小物、そして無法感……ビジュアル的にも完全に『探偵物語』に寄せていっていると言って間違いないだろう。
ドラマを見る限り松田翔太演じる久保塚のキャラは、世界十数ヶ国の言葉を話し、警察の質問には歌でとぼけ、たばこがよく似合うクールでつかみどころがない男。まだ物語は序章にすぎず、キャラもどう転がるか分からないが、原作を知る限り腎臓売買や整形など、ハードでグロい展開になると予想される。助手となる浜田謙太とのコミカルなやりとりには、松田翔太が今まで培ってきたコミカルな要素も充分に活かされており、今のところそのノリは、松田翔太が高校生頃に好きだった言う永瀬正敏主演の『私立探偵 濱マイク』に近いのかも知れない。
『探偵物語』を始めた松田優作の年齢も同じ30歳、何かと運命を感じるこの作品。新しいハードボイルド像を松田翔太がどう描いてくれるのか。これを機に、松田優作の過去作を見てハードボイルドとは何かを学べば、きっと『ディアスポリス』がより楽しめるはずだ。
(文=本 手)
■放送情報
『ディアスポリス-異邦警察-』※連続ドラマ(全10話)
毎週火曜日 深夜25:28から放送中
出演:松田翔太、浜野謙太、康芳夫、マリー、柳沢慎吾ほか
原作:「ディアスポリス‐異邦警察‐」
脚本 リチャード・ウー 漫画 すぎむらしんいち(講談社『モーニング』所載)
監督:冨永昌敬 茂木克仁 真利子哲也 熊切和嘉
(c)リチャード・ウー,すぎむらしんいち・講談社/「ディアスポリス」製作委員会
(c)すぎむらしんいち/リチャード・ウー/講談社
公式サイト:dias-police.jp