キアヌ・リーブスが明かす『砂上の法廷』での役作り「作品よりもリアルな物を参考にした」
「作品よりもリアルな物を参考にすることが多かった」
ーー弁護士リチャード・ラムゼイのキャラクターを見出す表現のために、参考にした作品や俳優などはありますか?
リーブス:監督からは、『評決』(1983年公開のシドニー・ルメット監督作品。ポール・ニューマンがアルコール依存症の弁護士を演じた。)を観るように勧められて、監督がそういうアプローチで作品を撮りたがっていることがわかったので、影響を受けているかも知れない。でも法廷に何度か足を運び、弁護士の方にお会いしたり、ネットで裁判の様子を見たり、検事側の証人に対し弁護士がどう質問するか、陪審員に対してどう話すのかなど、作品よりもリアルな物を参考にすることが多かったかな。
ーー今作で初共演となった、レニー・ゼルウィガーについて、人柄や感想をお聞かせください。
リーブス:初めてスクリーンで見た時から、彼女のファンだったんだ。彼女はまさに映画スターだ。だから彼女と会って共演するのを楽しみにしていたんだ。人物としてはスイート、とても素敵な優しいかわいいところがある人だね。でも、演技に関してはすごく技術があって、そこにもたらされるべき瞬間というのを表現しているんだけど、演技をしていると感じさせないんだ。彼女も僕と同じで古風なところがある。気合を入れて仕事に向かう。このシーンの真実とは何か。しかも遊び心も忘れない。共演できて素晴らしかったし、信頼できる素晴らしい人だよ。
ーー本作を観ていて、日本との司法制度とルイジアナ州の司法制度の違いを感じました。実際にルイジアナ州では2010年に12歳の少年が殺人罪に問われ成人と同じように25年の刑を受けましたが、そのような少年への厳罰についてどうお考えですか?
リーブス:全部がおかしいよね。でも、なかなか難しい問題だよ。よく議論されるのは、その罪に合った罰がどんなものなのかということだと思う。それを考えればケースバイケースになる。だから、現状の部分だけを聞くと、少年と大人の刑罰は区別をした方がいいかな。ただ、そこにどれだけ更生させたいかという意思や、文化的、政治的背景、習慣なんかもあるだろうから、もう少し情報がないと何とも言えないかな。でももし年少者が殺人を犯したとしたら、やっぱりクレイジーだと思うし、未成年だからという考え方だけでは足りなくなってくるのかも知れない。とはいえ、事件の文脈や、様々な事情が関わってくるから、やはり難しいところだね。
(取材・構成=久保田和馬)
■公開情報
『砂上の法廷』
3月25日(金)TOHOシネマズ シャンテ 他 全国順次ロードショー
監督:コートニー・ハント
脚本:ニコラス・カザン
出演:キアヌ・リーブス、レニー・ゼルウィガー、ググ・ンバータ=ロー、ガブリエル・バッソ
配給:ギャガ
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公式サイト:http://gaga.ne.jp/sajou/