キアヌ・リーブスが明かす『砂上の法廷』での役作り「作品よりもリアルな物を参考にした」

キアヌ・リーブス『砂上の法廷』インタビュー

 キアヌ・リーブスが弁護士を演じ、大物弁護士殺害事件の真相を暴き出す法廷ミステリー『砂上の法廷』が3月25日より公開される。容疑者として逮捕された17歳の息子が完全黙秘を続ける中、次から次に現れる不利な証言にひそむわずかな綻びから、その「嘘」を見破っていく敏腕弁護士の姿を描く衝撃作。監督は前作『フローズン・リバー』でサンダンス映画祭グランプリを受賞し、アカデミー脚本賞にもノミネートされたコートニー・ハント。共演にはオスカー女優のレニー・ゼルウィガー。本作で主人公リチャード・ラムゼイを演じているキアヌ・リーブスに電話取材を行い、弁護士を演じるための役作りや、監督・共演者の印象などをうかがった。

「引き付けられ、驚かされた脚本だったよ」

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キアヌ・リーブス

ーーはじめに、どうしてこの映画に出演しようと思ったのですか?

キアヌ・リーブス(以下、リーブス):この映画の脚本を受け取り、コートニー・ハントが監督だと言われたんだ。2008年に監督の『フローズン・リバー』を観て、素晴らしいと思った。だからコートニーに会うのを楽しみにしていた。そして脚本のことを語り合った。僕は彼女の大ファンだし、彼女も僕が弁護士のリチャードを演じることに同意した。

ーー大ファンだったコートニー・ハント監督と実際に仕事をしてみて、いかがでしたか?

リーブス:素晴らしい経験だったよ。彼女は一緒に協力して作ろうとしてくれる監督なんだけど、自分の強いビジョンはしっかり持っている。そういう方と組んで作品を作れたことは幸せだね。

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『砂上の法廷』場面写真

ーー脚本を初めて読んだ時、ご自身が演じるキャラクターや物語についてどう感じましたか?

リーブス:脚本とキャラクターに魅力を感じたよ。洗練された語り口、サスペンスの要素。真実と正義、そして愛情ゆえの犯罪と記憶を探っていくところが面白かった。映画も、脚本も、プロジェクトも素晴らしくて、出演するのが楽しみだったよ。原題は"完全な真実"だが、誰もが嘘をついている。異なる種類の嘘だ。記憶に付随した嘘かもしれない。その中心に愛情がある。そして殺人も。それが純粋さと罪悪感と巧みな操作につながった。とても賢く、ユーモアがあり、大人の脚本だと思ったよ。とても洗練されているし。だからこのリンゼイというキャラクターを演じるチャンスを得られたことが嬉しかった。彼には父親を殺した罪で裁かれる若者を救おうとする情熱がある。それにたまたま、その青年の母親を愛している。それらが複雑に絡み合ったんだよね。引き付けられ、驚かされた脚本だったよ。

ーーコートニー監督は法律を学び、弁護士資格も持っています。ラムゼイを演じるにあたり、監督とはどんな話をしましたか?

リーブス:コートニーは脚本を発展させるのがじつにうまかったし、僕たちは一緒にリサーチしたんだ。映画はルイジアナ州ニューオリンズが舞台になっていて、コートニーと一緒に初期段階の数週間、そこを訪れ、弁護士と会い、法廷にも行った。彼女は僕に、弁護士としてのリチャードの、僕自身の表現を見つける自由を与えてくれた。彼らを見ながら、僕は彼ら全員がキャラクターを演じているように感じたよ。彼らはどんなキャラクターを法廷で演じているのか? 僕はどんなタイプの弁護士なのか? って。それに彼女は僕が自分で冒頭陳述や最終弁論に取り組めるようにしてくれた。だから、彼女と一緒のプロセスはとてもエキサイティングだった。彼女は法律を勉強していたから、正しく描くことが重要だったんだ。

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