なぜ『オトナ女子』に共感できないのか? 同世代ライターが分析

 放送にあたって「オトナ女子」世代として注目していたのは、40歳女性のリアリティがどう描かれていくのかということだった。しかし、主人公・中原亜紀のロングヘアをかきあげる仕草や、胸元やうなじを強調したわかりやすすぎる色気、20代のようなテンション高めの恋バナ、ダメンズに入れ込んだ挙句、浮気され、ショックで雨に打たれて街を彷徨うなどの乙女度満点な話の展開はまさに、「2015年のトレンディドラマ」、「恋愛アプリ」そのものという印象を持った。よって主人公が40歳女性でなくても展開できてしまうストーリーという印象を持たれてしまったのが内面重視な「オトナ女子」の共感を得にくくしてしまった原因ではないかと分析する。

 一方、「恋愛」という軸で展開していくドラマだからこそ、今後、イマドキの40歳の女性たちが、オトナと乙女のはざまで揺れる微妙な描写を期待したいところだ。

 11月5日放送の第4話では、篠原涼子演ずる中原亜紀と平山浩行演ずる編集者・池田優、吉瀬美智子演ずる大崎萠子と谷原章介演ずる亜紀の会社の社長・栗田純一、鈴木砂羽演ずる坂田みどりと千葉雄大演ずる・息子の担任教師沢田健太の恋愛が一気に動きだす。このなかで徐々に亜紀の気のおけない存在になりつつある江口洋介演ずる脚本家・高山文夫が、亜紀に対してどう心境を変化させるのかが、見所のひとつだ。

 「オトナ女子」たちが繰り広げていくラブストーリーは、大人の女性たちを納得させる展開を迎えることができるのか。

■内藤裕子
ライター。2004年より雑誌の編集、WEB企画、商品企画をメインに、イベント企画、総務、人事、広報を経てクリエイターのマネージメントに携わる。現在看護師として働く傍ら、写真関連のUstreamの企画構成にも携わる。

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