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芳根京子と志尊淳が演じる、理想のカップル 『先輩と彼女』に見る若手俳優の躍進とは

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 全民放ゴールデンタイムのドラマ枠の低調ぶりが取りざたされた今年の夏クールが終わり、『表参道高校合唱部!』は今年の1月クールに放映されていた『まっしろ』を辛うじて上回る平均視聴率5.92%という低調な数字のまま幕を下ろした。

 とはいえ、やや力任せな終盤の展開でありながらも、これまで合唱で歌われてきた名曲が再び登場し、劇中曲として作られた「愛の歌」を合唱する大団円を迎える最終回は、今年を代表するテレビドラマとして相応しい最高のフィナーレであった。

 そして、青春ドラマに欠かせない恋愛要素を期待した視聴者の誰もが、ヒロイン香川真琴を演じた芳根京子と、夏目快人を演じた志尊淳とのラストに妙にそわそわとした気持ちになったのである。中庭でお互いに向き合って想いを伝え合った二人が、キスをすると思いきや、恒例の“10秒ジャンプ”で照れ隠しをする真琴。快人が真琴の腕を掴んでいざ二人の顔が近付いたところで、シーンが切り替わってしまう。もちろん物語の展開上、ここで二人がキスをしたというのが最も納得のいく解釈であるが、若いファンからしてみれば、気が気でないところであろう。

 そんな“オモコー”カップルの二人が、再び映画で共演したのであるから、オモコーに熱中した視聴者は、劇場に足を運ばないわけにはいかない。『先輩と彼女』というシンプルなタイトルのその映画は、もう10年前に連載の終了した少女漫画を原作にした映画である。

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 少女漫画原作の映画は、ここ数年急増している。2000年代に入ってから矢沢あいの『NANA』の実写映画化が成功したことが大きな転換期となり、また人気のある若手役者を揃えることで、口コミ力のある若い女性客を映画館に集めることに成功しているのだ。今年に入ってからも、年末からヒットを続けていた『アオハライド』に始まり、『ストロボエッジ』といった高校生青春モノから、『娚の一生』のような20代以上をターゲットにした作品や、『海街diary』のような変り種までと幅広い。

 しかしながら、近年映画化されている高校生が主人公の少女漫画映画は、どれも連載が続いている作品ばかりで、連載当時読んでいた世代はもう20代半ばになっている『先輩と彼女』は、映画化するには少し挑戦的な試みであるようにも思える。しかし、たった2巻で100万部以上を発行したこの漫画の強さは伊達ではない。昨年映画化された『クローバー』は全24巻で860万部の大ヒット作なのだから、1巻辺りの発行部数はそれを大きく上回っているのである。

 今回メガフォンを執った池田千尋監督は東京藝大出身の女性監督で、インディーズ系女性監督の中で最も期待できる存在である。意外なことに、少女漫画映画ブームであり、女性監督が増えてきた昨今でも、このふたつの要素が重なることはそう多くはない。思い浮かぶところでも、3年前に公開された福山桜子の『愛を歌うより俺に溺れろ!』と、昨年夏に公開された日向朝子の『好きっていいなよ。』くらいであろうか。映画としての演出の巧さは男女問わず個人差があれど、女性主人公の心情や、微妙な所作を描かなくてはいけない点で、男性よりも女性監督の方が丁寧に少女漫画を扱えており、圧倒的に優れているという印象を受ける。

      

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