【漫画】乳酸菌飲料の配達屋さん、その心得とは? 20歳の新米ママが奮闘する実話ベースのSNS漫画が話題
――なぜ『ハタチのシンママが乳酸菌飲料屋さんをやる話』を制作したのですか?
もりさわ:乳酸菌飲料屋さんって全国どこにでもいて、誰でも一度はバイクで走る姿を見たことがあると思います。そこで「どんな仕事なの?」「お客さんと世間話するの?」など謎が湧いてきた結果、実際に働いてみたのですが「なんて面白くてやりがいのある仕事なんだ!」と驚きました。そこで試しに描いた2ページ漫画をXに投稿したところ、予想外の反響があったため長いページで描くようになりました。
――作中に出てくるエピソードは基本的には実体験ということでよろしいでしょうか?
もりさわ:お客さんとふせんやメモで密に連絡を取り合ったり、急に大量買いのお客さんが現れることを“フィーバー”と言ったりなど、やや誇張してはいますがほぼほぼ実体験です!毎日何が起こるかわからない、自分が行動するだけ結果になって返ってくる、楽しい仕事でした。ちなみに、LINEを聞いてくるおじさまもたまにいましたが、よくあることなので販売員は軽くかわしていました(笑)。
――はなや美鈴なども実際の同僚をモデルにしたのですか?
もりさわ:キャラクターは全て実在するモデルがいます! 以前私が働いていた事業所のお仲間さんたちです。本作は5年前に描いたのですが、現在も元気に現役で働いている販売員さんも中にはいます。
――登場人物で言えば、腸ノ内はなや酵など、乳酸菌飲料にかかった名前は面白かったです。
もりさわ:乳酸菌に絡めて名前を考えるのは楽しかったです! 主人公「腸ノ内はな」は「腸内フローラ」から、美鈴センパイは「ビフィズス菌」から名前を付けました。特に気に入っているのは黒田博子(クロタヒロコ)で、ヤクルトの白田博士をもじっています。黒田は本作をまとめた内容『ニャクルトレディです!』の2巻に登場するため、もしよければチェックしてください。
親子の交流を描いたワケ
――中盤までは乳酸菌飲料屋の日常が描かれていましたが、終盤は息子との交流が見られました。
もりさわ:「乳幼児を託児所に入れて働けるから」という理由で、乳酸菌飲料屋さんで働き始める人は多いです。保育園激戦時代ですが、乳酸菌飲料屋さんが併設する託児所は驚くほどすんなり入れてすぐに働き出せます。“子育てと密接に結びついているお仕事”ということは1つのテーマとして入れておきたいと考え、終盤に息子との交流を描きました。
――今改めて乳酸菌飲料屋で働いていたことを振り返ってみてどうですか?
もりさわ:乳幼児の子育ては時として孤独です。ただ、この仕事を始めてからはお客さんとの繋がりができ、社会に交わることの実感もあり、一気に気持ちが解放されたことを覚えています。もちろん楽な仕事ではなく、基本はバイクで回るので天候に左右されたり、売れない時もあったりします。それでも、「自分が子育てを乗り切れたのは、間違いなく乳酸菌飲料屋さんのおかげ」と思っています!
――本作の優しくもあり、可愛らしくもある作画はどのような意識で描いたのですか?
もりさわ:キャラを可愛くすることを心がけるのはもちろんですが、背景や小物を細かく描くことが大好きで、ニャクルトやヨーグルトの商品、バイクなどは気合いを入れました!また、読者さんが思わず拡大して見たくなる、何度も読む度に新しい発見がある漫画を目指しています!
――今後の漫画制作における展望を教えてください。
もりさわ:「やさしくって でも突如喉元に刃をつきつけてくるような 切なさを少しだけ」を信条に漫画を制作していきたいです。まだまだ未熟ですので日々精進です! 現在、楽器の声が聞こえてしまう女の子の物語『RE-TUNE~あなたの人生チューニングします~』を連載中です! Xで1話を試し読みができるのでよろしくお願いします!
『RE-TUNE~あなたの人生チューニングします~』1話
https://x.com/tamitin0914/status/1808327181854298566
『ニャクルトレディのトップになりたい! ニャクルトレディです!』
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