江戸時代の下級武士、どんな生活を送っていたのかーー肉食文化と意外な日常

江戸時代の日本人は何を食べて来たのか?

■意外な幕末日本の日常生活

  最後に少々脱線してしまうが、石城日記からは日常生活について食生活以外にも伺い知れることがある。石城は下級武士だったが意外なことに、自分よりも遥かに禄高の高い中級武士や、逆に身分が下の筈の町人や寺の坊主とも親しく交際している。妹夫婦との関係(石城は独り身で妹夫婦と同居していた)も良好で、義弟から贈り物をされるちょっといい話も日記に登場する。

  幕末は男女差別が今と比較にならないぐらいに激しい時代だったはずだが、町人の女性が石城の家に遊びに着て酒を飲むような日常の一コマも描かれている。

 「士農工商の明確な身分差があった」が教科書的な答えだが、実際のところ幕末日本の身分意識は一般的に思われているより緩かったようだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる