【漫画】ペットロスを乗り越えるにはーー漫画家が伝える、“新しい家族”を迎え入れる苦悩と喜び
先代リーフとの出会い
――まずリーフを飼うことになった経緯をお聞かせください。
アキサワリョウタさん(以下、アキサワ):幼少期から「犬を飼いたい」と両親に頼んでいました。小学5年生になったある日、父親の知人の紹介でリーフを引き取ることになりました。
――リーフとの印象に残っている思い出は何ですか?
アキサワ:特に印象に残っているのは毎年桜のシーズンになると2人でお花見がてら近所の公園を散歩したことです。亡くなる年も抱っこして一緒に桜を見に行きました。この時撮った写真が1番お気に入りの1枚となっています。
――リーフを亡くした時の、アキサワさん以外のご家族の様子はどうでしたか?
アキサワ:父も母もとても悲しんでいました、家を離れた兄家族、姉も家族みんなリーフのことが大好きだったのでみんなとても悲しんでいたと思います。母もリーフを思い出しては泣いていました。
漫画を描いてきて良かった
――「ペットロスを経て新しい家族を迎えた時の話」を制作しようと思った経緯をお聞かせください。
アキサワ:きっかけは「自分にしか描けないマンガって何だろう?」と考えた時に思い浮かんだからです。それと同時に製作に入る前にリーフの命日である12月2日が近づいており、自分の気持ちを改め、整理するためにも描きました。
――実際に気持ちの整理はつきましたか?
アキサワ:リーフがこの世にいたこと、フクが悲しい思いをしていたこと、いつか形として発信したいと思っていた内容でもあったため、「描いて良かった」という気持ちになりました。そして改めてリーフとフクの存在の大切さに気づくことができました。大袈裟ですが、漫画を描くことを続けていて良かったとも思えました。
ペットに関して深く考える機会になった
――本作において、どの点をこだわりましたか?
アキサワ:嘘偽りなく描くことにこだわりました。内容に関しましては全てノンフィクションです。ペットロスになり抑うつ状態になっていたことも、周囲に知らせていなかったので今回初めて打ち明ける形になりました。
――今回、SNS上で大きな反響がありましたが、どのように感じましたか?
アキサワ:想像をはるかに超える方々に読んでいただけてとても驚きました。たくさんの共感してくださる方の中に「このループは一生続くのだろうか」というペットの行く末を案じるコメントも見られました。確かにその通りで、人間もいつまでも元気でいられるわけではないですし、ペットより先に逝ってしまったら残された親族の方に迷惑がかかってしまいます。そういったコメントを読みながら、いろんなことを考える機会になり、改めて勉強することができました。
ペットに愛情を絶やさず注ぐしかない
――ペットロスに今現在苦しんでいる人に、どのように本作を読んでほしいですか?
アキサワ:人それぞれ、ペットに対する思い入れは違いますし、いろんな考えがあるかと思います。もちろんペットロスの度合いも、どう乗り越えていくかも人それぞれです。自分のペースでゆっくり受け入れていけばいいと僕は思っています。そういう方のきっかけや、背中を押せるようなマンガとして読んでもらえたら嬉しいです。
――アキサワさんは本作をキッカケに、ペットを飼っている人、ペットを飼おうと検討している人にどのようなメッセージを伝えたいですか?
アキサワ:とにかく、コロナ禍でペット需要が増えたからこそ、フクのような辛い思いをする子が減ることを祈っています。人間のエゴで振り回されてしまうペットたちに私たちができることは、愛情を絶やさず注いであげることだと思います。そして、人もペットも、命あるものはいつ、どこで、どう亡くなるかなんてわかりません。大好きな人、大好きなペットとの1日1日を大切に過ごしてほしいと願います。
――今後は漫画家としてどのような活動を目指しますか?
アキサワ:これからも人の気持ちに寄り添うことができる漫画を描いていけたらいいな、と思っています。もちろん動物関係の漫画も描いていきたいです。Instagramの方で大好きな柴犬をスケッチしたモノを載せています。そちらもチェックしていただければ嬉しいです。
プロフィール
アキサワリョウタ
神奈川県出身1996年8月23日生まれ小学館から「いろはと僕と」全二巻「怖面先生のおしながき」全三巻が発売中です。
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