TOSHI-LOWが吞みながら語る、弁当作りと理想の親父像 「親父の弁当はもっと面白くて良い」

「大人になったときに笑い話になれば良い」

ーーTOSHI-LOWと息子にとっては、弁当が広い意味での食育になっているのかもしれないね。

TOSHI-LOW:そうかもしれないですね。色々試して、息子から意見を聞いたりもしているし。よく肉体労働の人たちが使っている、温かいままのポットの弁当箱あるじゃないですか? あれ何回か持たせたんですけど、最終的に「重い」って言われました(笑)。俺にとっては憧れだったし、あったかいもの食べさせられるのは良いなぁって思ったんですけれどね。まぁ、そういうのも大人になったときに笑い話になれば良いかなぁ。俺も、自分の親父にスナックに酔っ払って置いていかれたことがあって、それは今でもネタになっているし、悪くないなと(笑)。親父の役割って、後から笑いのネタになるとか、そういうところもあるのかなって、弁当作ってて思うようになりました。

ーー息子が何年生ぐらいの時にそれを思った?

TOSHI-LOW:本気で思ったのは小学校中学年ぐらいですよ。それまでも俺、おむつ替えたりミルク飲ませたりっていうのはやっていて。でもアーティストである自分や、そういうのをやらなくてもいいと思う自分が半分いて。本当に、能動的に家事に参加したわけじゃなくて、たまたま嫁が忙しい人だったんで、必要に迫られた感じですね。基本的に、俺なんかなんにもやりたくないっすよ。

ーーでも子ども生まれたら可愛いから色々したくならない?

TOSHI-LOW:そうなんですよ。それで結果やったらかわいいし、自分の身にもなるしで、ちゃんとお父さんになった気がするんです。たぶん、一昔前はみんな余裕があって、何も言わないでも親父の背中を見て育つっていう考えがあったと思うんですよ。でも今はそうじゃないと俺は思っているので、ちゃんと毎日会える時期から父親としての役割を意識しないと教育にならないし、自分たちも父親になれないんじゃないかなと。

ーーすごく忙しいお父さんでも、読んだらちょっと変わるんじゃないかなと思える本ではあるよ。いわゆるレシピ本や子育て本とは全く違うアプローチの本だよね。

TOSHI-LOW:弁当作りも楽しいっすよ、というだけの本ですからね(笑)。そもそも、子どもを育てるのってめちゃめちゃ大変じゃないですか? 今みたいな状況では、少子化になるのなんか当たり前。旦那も奥さんと一緒に家事をするべきなのは当然。それと、国がもっと子どもを楽に育てられるような環境を整える必要もありますよね。フランス人の友達がいて、向こうは少子化対策が進んでいるから、「日本ってまだそういう状況なの?」って言われることもあって、たしかにそうなんだろうなって思うんですよ。教育の無償化とか、子どもがいる家庭に対しての税率の引き下げとか、もっといろんな対策をしないと、子どもを産んで育てようって気持ちにはなれないんじゃないかな。子どもが生まれることの素晴らしさって、本当に生まれてみないとわからないものですしね。

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