夢川かなう×杏夜くもり×魔光リサ×神凪アンナ:4週連続EPで発揮した音楽愛と個性 ライブ『BRIGHT NOTES』に刻む新たな自分

Re:AcT所属アーティスト 連続インタビュー

杏夜くもり「強く背中を叩くよりは、そっと押してあげる曲になれたら」

杏夜くもり
杏夜くもり

――杏夜さんの音楽ルーツや活動の原点について教えていただけますか。

杏夜くもり(以下、杏夜):初めて出したオリジナル曲の「くもりのうた」が、私のルーツの物語にもなっています。以前、何に対してもちょっとやる気が出なくなってしまった時に、好きなアーティストさんの歌を聴いて元気やエネルギーをもらったと同時に、「幼少期は音楽が好きだったな」ということも思い出して。改めてそこに立ち返って、自分でも音楽を始めようと思ったことがきっかけになりますね。

――そのアーティストはどなただったんでしょう?

杏夜:EGOISTさんです。プロデュースを担当されているsupercellのryoさんの曲が昔から大好きで。歌われているchellyさんの声もすごく繊細で、本当に尊敬してるというか、こうなれたらいいなってずっと思ってますね。

――「くもりのうた」のMVでは、音楽によって思い出したという幼少期の記憶についても描かれていますよね。

杏夜:小学生の時に、ステージ上で一人で歌う独唱大会のコンクールに出たことがあるんです。その時に先生とずっと一対一で練習していて、とても大変でしたが他学年の子がいる中でも私の歌を褒めてもらえて。「上手だから頑張ろう!」って前向きに教えてもらったことが、純粋にすごく嬉しかったんです。その頃から、音楽を好きな気持ちがずっとありますね。

――そこから今のようなバーチャルアーティストとして活動するに至ったきっかけは何だったのでしょうか。

杏夜:そこに関しても、EGOISTさんの影響が大きいですね。ライブでも3DCG形式をいち早くやっていたので、今のバーチャルアーティストの先駆けになっていたというか、そういったライブや演出も含めて憧れでした。今の私のバーチャルアーティスト活動についても、私自身はもともと個人勢のバーチャルYouTuberで。当時は細々と活動する中でも、ファンと一緒に交流しつつ、距離感の近さを大事にしたいと思っていたんです。歌うことは好きでしたが、歌い手さんのような形より、そういうやり方のほうがいいなって。Re:AcTに所属した今も配信をメインに活動してるので、やっぱりこういう形でやれるのがバーチャルアーティストのよさだなって感じています。

――そんな中で今回、初のEP『くもりのあしあと』がリリースされ、9月20日にはRe:AcT LIVE『BRIGHT NOTES』に出演されますね。

杏夜:青春ロックやポップスが多いEPになりました。これまでのオリジナル曲と同じく、杏夜くもりの物語を描いた作品になっていて、自分の価値観や考え方が反映されたコンセプトにできたと思います。ライブに関しても、この4人でやると聞いて「責任重大だな……」と感じつつ、徐々に日程が近づいてくる感じも今は楽しいです。「歌、もっと頑張らなきゃ!」と思ってますね。

杏夜くもり1st EP「くもりのあしあと」クロスフェード【 #杏夜くもり / Re:AcT 】

――今回のEPには新曲も2曲収録されていますが、まずはリードトラックの「天気雨」について聞かせてください。

杏夜:デモを聴いた時は、テンポもよくてすごく明るい曲かなって思ったんです。でも歌詞をよく見たら、明るいだけじゃなく、ちょっと苦悩を抱えてる曲だと感じて。「私に表現できるかな?」ってちょっと難しく考えてましたね。実際にレコーディングした時もやっぱり難しかったんですが、「悩みもあるけど少し前向きになってみようかな」みたいな、微妙な気持ちのグラデーションを大事にしつつ歌えたので、いい楽曲になったと思います。

――苦戦したのは、具体的にどの部分でしたか?

杏夜:サビの手前からサビにかけて、雰囲気がガラッと変わる部分ですね。少し俯いてた気持ちが、少しだけ明るくなる。その微妙な表現が難しかったです。

――もうひとつの新曲「晴れきらない空に」についてはいかがでしょう? こちらは「天気雨」と比べると開放感のある曲だと感じました。

杏夜:確かに「天気雨」よりだいぶ明るめに歌っていけそうな感じはあって、私自身もちょっとテンション高めに歌えたりして。アニソンなんかを歌うのももともと好きですしね。疾走感というか、ノリをどう作るかという点で、テンポ感のほうが難しかったかもしれないです。

――杏夜さん自身も、こういったロック調の曲はお好きだったりします?

杏夜:いろんな曲を歌うので、どんな曲調でも好きなんですけど、ロックな曲に関しては、ライブでみんなで盛り上がれる感じがいいなと思いますね。ゆるふわ系女子高生でありつつも、今回のEPは全体的にロックなテイストになった気がしています。そのあたりのギャップもぜひ皆さんにお届けできたら嬉しいですね。

――新曲2曲については、どんなふうにリスナーさんに聴いてほしいですか。

杏夜:2曲とも、すごく爽快に明るくて陽の下を歩くような曲ではないと思うんです。私の名前にも沿うような曇り空だったり、雨模様みたいな雰囲気があるというか。なので、「いつも明るくいなくてもいいんだよ」「いつも前向きになれなくたって大丈夫だよ」というメッセージとして聴いてもらえたらいいですね。曲調こそロックですけど、強くバシッと背中を叩くよりは、そっと押してあげる、寄り添う、みたいな。そんな曲になれたらいいなと思います。

――ありがとうございます。今回はカバー曲も2曲収録されていますが、この楽曲も杏夜さんのセレクトですよね。

杏夜:そうですね。久檻夜くぅさんの「Seeker」は、Re:AcTに入る前からよく聴いていた好きな曲なんですけど、自分なりの解釈も交えつつ歌えたらなと思って挑戦してみました。この曲には“杏夜くもり”には出せない、海っぽい爽やかさを感じてて。いつもとは違うムードで、「こういう雰囲気もあっていいよね」と思ってチョイスした曲になりますね。もともとのくぅさんの歌い方だと、優しさや繊細さの要素が大きいと思っていて。それは自分にはなかなか出せない味であると同時に、だからこそそれが大好きなんです。今回はこの曲の流れるようなメロディの雰囲気を残しつつ、私の歌声でもう少しどっしりした力強さをプラスアルファできるといいなと思って歌わせていただきました。

――もう1曲のカバー「5月のせいにして。」もRe:AcTの先輩である獅子神レオナさんの曲となります。

杏夜:今回、いわゆる青春っぽさが“杏夜くもり”としての新鮮さだと思っていて。その中でも、私と一番シナジーがありそうなかっこいい楽曲ということで、この曲を選ばせていただきました。「早口で歌えるかな~」とも思いつつ、レオナさんならではのすごく威厳のある歌唱というか、テンションの高さやアップテンポ感がやっぱり肝なんだなって感じながらレコーディングしていました。爽やかさの中に、可愛さも加えたいなって意識した1曲になっています。

――そんな楽曲群を携えて、Re:AcT LIVE『BRIGHT NOTES』が迫ってきていますね。

杏夜:それぞれのメンバーがソロでがっつり表現できる時間があって、「ほぼワンマンじゃない?」と思っちゃいましたね。いろんなライブへ出演してきましたが、これまでの倍ぐらいの時間のソロステージをいただくので、私の世界観をガンガンに詰め込んで歌えたらいいなと思ってます。

――杏夜さんは今回の公演で初の3Dお披露目にもなりますよね。

杏夜:そうなんです! 今まで配信では座って歌って喋って……みたいな感じでやってきたので、3Dライブになることで体力が持つか心配で(笑)。けど、身振り手振りが増えることで表現の幅はかなり変わると思うので、最後までみんなの前で立って歌えるよう頑張ります。

――そんなライブに向けて、意気込みをお願いします。

杏夜:今出せる“杏夜くもり”の精一杯を発揮して、世界観やムードで会場全体を飲み込んでいけたらと思っています。オリジナル曲はもちろんですが、ライブで披露するカバー曲も自分らしいもので、かつ会場にいるみんなの心にも響くようなセレクトができたらいいなって。アップテンポなロックナンバーもどんどん好きになってきてるので、ノリノリでいけたらと思ってます。みんなは全力で楽しみにくるだけで大丈夫です。頑張ります!

――ありがとうございました。最後に、今回EPを届けるリスナーさんへのメッセージも頂戴できれば。

杏夜:EPの曲は、どれも私の物語がかなり詰まっている作品になりました。何度も何度も聴いて、こうなのかな、ああなのかな、って考えながら聴ける曲というか。なのでぜひたくさん聴いてほしいですね。テンポ感がいい曲も多いので、走りながら聴いたりするのもオススメかな、と。全編通してレコーディングも頑張りましたので、全部いっぱい聴いて下さい!

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