BE:FIRST JUNON、玉置浩二「メロディー」歌唱で見せる新しい魅力 過去カバー曲から探る“変化”と“変わらぬ個性”の共存
10月30日に公開される映画『RYUJI 竜二』。同作の挿入歌として、ひろし役で出演するJUNON(BE:FIRST)が玉置浩二の「メロディー」をカバーしたことが解禁された。「メロディー」と映画の世界観がぴったりリンクすることもあり、公開前からすでに注目を集めている今回のカバー。JUNON自身が「このテンポ感だからこそ出る泣きのポイントなどを、原曲をリスペクトしながら歌ったので、新しい自分(の歌声)が聴けると思います」(※1)とコメントしている通り、これまでとはまた違った歌声の魅力を感じられる一曲となっている。そこで今回は、過去にYouTubeで披露した宇多田ヒカル「Flavor Of Life」、YEN TOWN BAND「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」のカバーもあわせて振り返りながら、JUNONのボーカルが持つ魅力を改めて見ていきたい。
JUNONといえば、美しい高音に注目が集まることが多い。だが、そんな彼の歌声の新しい魅力を感じさせてくれるのが、今回の「メロディー」だ。原曲へのリスペクトを感じさせながらも、カバーはJUNONのたっぷりとした低音からスタート。歌い進めるにつれて力強い中音域が加わり、厚みのある声の魅力が浮かび上がってくる。さらに印象的なのが、一つひとつの言葉を丁寧に置くような歌い方だ。ゆったりとしたスローバラードだからこそ、歌詞を噛みしめるように歌い、一語一語に感情を乗せている。とりわけ〈いまもまだ 大好きな あの歌は 聞こえてるよ〉というフレーズは、大切な相手へ手紙を読むような、静かな温かさを感じる。そして、原曲をなぞるのではなく、JUNON自身の声で楽曲を成立させているのもポイントだろう。その歌声が特別予告の映像と重なることで、物語の中に流れる時間や、登場人物が抱える思いまでもが浮かび上がる。深みのある歌声で作品の世界観にも寄り添っているのだ。
また、「Flavor Of Life」カバーにも、JUNONならではの歌声の魅力が詰まっている。同曲は、JUNONのファルセットによるアカペラからスタート。リラックスした歌い方の中にも繊細さがあり、透明感のある声が印象的だ。そこへ荘子it(Dos Monos)が奏でるアコースティックギターが重なると、中低音域をリズミカルに歌い始め、サビでは厚みのある声へと変化していく。冒頭と同じように繊細さを感じさせるパートもありながら、サビでは力強さが際立っている。透明感のある声と、しっかりと前へ出てくる芯の通った声の両方を持ち合わせているからこそ、JUNONの歌声には独特のコントラストが生まれているのだろう。その変化があるからこそ、一曲の中でも異なる表情を楽しめるのだ。
さらに「Swallowtail Butterfly」では、声質そのものだけでなく、歌い方によって曲の空気を変えるJUNONの表現力が光っている。冒頭は、息を多く含ませた柔らかな声で囁くように歌い始める。しかし、サビへ向かうにつれて息を吐くスピードを速くすることで声量が増し、広がるような歌声に変化。静かな歌い出しとのコントラストによって、サビでは楽曲そのものが大きく開けていくように感じられる。アコースティックギター1本というシンプルな伴奏だからこそ、JUNON自身がつける歌の強弱や声の表情がより鮮明に伝わってくるのだろう。声を張るだけではなく、抑えるところは抑え、広げるところではしっかりと広げるというダイナミクスのコントロールによって、一曲の中でも空気を変えてみせている。
「メロディー」で感じられる深み、「Flavor Of Life」で際立つ透明感と芯、「Swallowtail Butterfly」で見せた声の表情の豊かさ。3曲を聴き比べてみると、JUNONが楽曲に合わせて歌の表情を変えられるボーカリストであることがわかる。それでいて、どんな曲を歌っていても「JUNONの歌声だ」と感じられる個性も確かにあるのだ。楽曲ごとに異なる魅力を引き出しながら、自分の個性は失わない。その二つが共存しているからこそ、JUNONの歌声は聴く人を惹きつけているのだろう。
※1:https://www.culture-pub.jp/news/816/


























