未唯mie、進化し続ける輝かしいオーラ ソロ曲からピンク・レディーの名曲まで、惜しみなく披露したダブルアニバーサリー公演

未唯mie、ダブルアニバーサリー公演レポ

 シンガーの未唯mieが9月19日、『未唯mie DEBUT 50th & SOLO 45th Anniversary Celebration presented by Achievement Corporation』を東京国際フォーラム ホールCで行なった。ピンク・レディーの“ミイ”としてデビューして50年、ソロアーティスト“MIE”としてデビューして45年。大切な節目のコンサートに多くのファンが駆けつけ、未唯mieは最新曲「Anti Limit」からピンク・レディー時代へと遡る2部構成で、現在から過去を巡り、未来へ向け進化を続ける“最新の自分”を伝えた。

 シルバーのスパンコールの衣装に身を包んだ未唯mieが大きな拍手に迎えられ登場すると、オープニングナンバーは最新曲「Anti Limit」だ。作詞をコラムニストでラジオパーソナリティ、作詞家でもあるジェーン・スーが、サウンドプロデュースをT-GROOVEが手掛けたディスコナンバーである。音楽監督・井上鑑(Key)率いる、バカボン鈴木(Ba)、外園一馬(Gt)、鶴谷智生(Dr)、大儀見元(Per)、村田陽一(Tb)、菅家隆介(Tp)、竹野昌邦(Sax)、金原千恵子(Vn)、笠原あやの(Vc)、大滝裕子・斉藤久美(Cho)という手練れのミュージシャンが揃ったバンドが、上質なモータウンサウンドを鳴らす。〈取っ散らかっていいじゃん/蹴とばしていこう 誰かの視線 もう超自然〉〈過去は勲章 未来は獲物でしょう?〉と、彼女の生き様を表したような、そして同世代の人たちにエールを贈るポジティブな言葉が印象的なナンバー。年齢や常識などにとらわれず、限界を決めず歌い続ける未唯mieが伝える言葉が、説得力を持って客席に突き刺さる。「たくさんの人が集まってくれて本当に嬉しい。今日は現在から過去に、曲たちで遡りたい」と語り「Never Did I Stop Loving You」へ。アメリカのソウルシンガー、アリス・クラークの1972年の名曲に、未唯mieが日本語詞をつけたカバーで、シティポップの薫りがするサウンドと歌に客席はノリノリだ。

 「最初に聴いた時、雷に打たれた」と語り、レナード・コーエン「Hallelujah」のカバーを披露。未唯mieが「自分のオリジナルのように歌いたい」と、井上に依頼したアレンジに乗せ、深い歌を届ける。井上は「世界中でカバーされている曲だけど、ここまで自分の形を作っているバージョンはあまり聴いたことがない」と語っていたが、想像を超えるオリジナリティ溢れる歌と演奏に客席に感動が広がっているのが伝わってくる。「LOVE JAIL.」「SWEET」と気持ちいいグルーヴと歌で魅了。そして「ソロとしてよちよち歩きの時の曲のあとは、認知された曲を」と代表曲の「灰とダイモンド」「NEVER」とエモーショナルな歌が続き、会場の温度が上がっていく。玉置浩二が作曲を担った「シャンプー」、主演映画の同名タイトル曲「コールガール ~夜明けのマリア~」を、そして阿木燿子&宇崎竜童コンビが作詞・作曲を手がけたソロデビュー曲「ブラームスはロックがお好き」と、井上の繊細かつ大胆なライブアレンジとバンドが作る極上のアンサンブル、そして未唯mieの歌とが交差して、オーディエンスの感情を揺さぶる。

『未唯mie DEBUT 50th & SOLO 45th Anniversary Celebration presented by Achievement Corporation』

 インターバルのあと、第2部はオールピンク・レディー楽曲で熱狂が生まれていた。白いフリフリのミニスカートの衣装で登場すると大歓声が沸き、「マンデー・モナリザ・クラブ」からスタート。そしてイントロが鳴った瞬間にどよめきが起こったのは「UFO」だ。「お待たせしました、ピンク・レディーです」と挨拶すると、さらに「振り付けの土居甫先生が最も大切にしていた“ビート感”を皆さんにお届けしたい」と「S・O・S」を披露。この日の未唯mieのダンスは、当時と全く変わらないキレとダイナミックさ、そしてキュートさ、女性らしさが細部にまで表現され、それでいて息が切れない圧倒的な体力と技術を見せつけてくれた。

 「カルメン ’77」「サウスポー」、そしてスパンコールのミニスカートに衣装チェンジして「モンスター」と、畳みかけるようにヒットナンバーを披露すると、立っているファンも座っているファンも振りを完コピで楽しんでいる。未唯mieは「今の私があるのは母のおかげ。陰日向になって私を支えてくれている」と、この日89歳の誕生日を迎え、スタンドで見守る母親を紹介すると大きな拍手が贈られた。「ウォンテッド(指名手配)」「カメレオン・アーミー」「渚のシンドバッド」と全員が口ずさみながら楽しんでいる。改めて作詞・阿久悠×作曲・都倉俊一のコンビが作りあげた2分半~約3分半の“ドラマ”の完成度の高さ、全く色褪せないメロディの“強さ”に聴き惚れてしまう。当時の最強クリエイターとスタッフが集結し、そして時代の“勢い”が追い風となって生まれたピンク・レディー。わずか4年7カ月という短い活動期間の中で、日本のポップス史に残る名曲をこれだけ残してきた“モンスター”の一人、未唯mieの強く輝くオーラを感じる瞬間の連続だ。

『未唯mie DEBUT 50th & SOLO 45th Anniversary Celebration presented by Achievement Corporation』

 「ピンク・タイフーン (In The Navy)」、そして最後に「この曲で全てが始まりました」と、1976年8月25日にシングルリリースされ、日本のエンタメシーンに衝撃を与えたデビュー曲「ペッパー警部」を歌い、本編を締めくくった。鳴りやまないアンコールの声と拍手に応え、未唯mieとバンドが再びステージに登場し、ピンク・レディーのラストシングル曲「OH!」、さらに「DO YOUR BEST」を披露。そして集大成とも言えるアニバーサリーライブの最後に選んだのは「これまで何が起こっても私にはきっとできる、大丈夫だって思っていたから、ここまで頑張ってこられた。その“大丈夫”を皆さんにお届けしたい」というメッセージと共に、未唯mieとしてではなく、本名の根本美鶴代名義で作詞したソロ曲「ALRIGHT ALRIGHT」を想いを込め、歌った。未唯mieは「この喜びの瞬間を皆さんと共有できたことが本当に嬉しい。仲間たち、ありがとう」と、これまでと、このライブに関わった全ての人に感謝した。このライブを開催するに当たって、彼女は「この50年で1番の宝といえば、『仲間』でしょう。数々の出会いと別れの中で、“今”手を繋ぎ合える大切な仲間たちと、この50年のあゆみを表現したいと思います」とコメントしていた。本人の想いとバンド、スタッフ、大切な“仲間”の想いが溢れ、そこにファンの想いが重なる情熱的な150分だった。「私、まだまだいけそうですか? 60周年、70周年いけそう……?(笑)」「今日が新たなスタート。これからもいろいろなことにチャレンジして、私らしく、楽しく生きていこうと思います」と、表現者としての決意を改めて伝えた。

『未唯mie DEBUT 50th & SOLO 45th Anniversary Celebration presented by Achievement Corporation』

 50年間、エンターテインメントの世界の第一線を走り続けてきた表現者としての凄みと矜持を細部にまで感じさせてくれた圧巻のショウだった。未唯mieの次のライブ、そして“その先”がますます楽しみだ。

◾️放送情報
『未唯mie DEBUT 50th & SOLO 45th Anniversary Celebration』
CS放送「TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画」にて、11月21日(土)18時から放送
詳細:https://www.tbs.co.jp/tbs-ch/information/2026_0919_1630.html

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