JASRAC、徴収額&分配額が1500億超で過去最高を記録 “2026年JASRAC賞”はミセス、美空ひばり、Creepy Nutsら

日本音楽著作権協会(JASRAC)が、2026年定例記者会見および2026年JASRAC賞の発表を5月20日、JASRAC本部に隣接するけやきホールにて開催した。




徴収額/分配額共に1500億円台で過去最高、2028年には1600億円台を目指す
定例記者会見に登壇したのは4月1日付けでJASRAC新会長に就任した作詞家の石原信一氏をはじめ、理事長の伊澤一雅氏、常務理事の増田裕一氏、常任理事の露木孝行氏といった役員の面々。2025年度事業説明の総括を担当した伊澤氏は、2025年度の徴収・分配の概況に関して、徴収額は1523.2億円で前年度から77.3億円の増加で初の1500億円台で過去最高を記録し、「音楽サブスクリプションや動画投稿サービスを中心としたインタラクティブ配信、コンサートといった演奏分野などの活況」が伸びの理由にあると説明した。また、クリエイター、音楽出版社など権利者に分配した使用料は、1518.5億円で前年度より95.2億円の増加で、こちらも過去最高額となった。








伊澤氏は中期経営計画「2026-2028」として、“創作”の価値を高めるという経営ビジョン「Vision2030」を発表。これはJASRACが2028年度までに年間使用料の徴収を1650億円、分配総額を1630億円、そして分配する対象の著作物、音楽作品を400万曲とする目標を掲げるもの。「音楽文化事業そしてシステムへの投資、JASRACのイメージの向上など様々な取り組みを加速させ、日本の音楽市場の持続的な成長に向けて貢献をしていきたいと考えています」と伊澤氏はコメントする。

国際音楽賞『MUSIC AWARDS JAPAN』の授賞式が6月13日に開催され、JASRACは昨年に引き続き、プライズパートナーとして協賛。「2026年JASRAC賞」の金賞作品を表彰する「クリエイター特別賞 Song of the Year for Creators presented by JASRAC」を創設する。
また、JASRACは代々木上原にある本部事務所を今年7月に赤坂へと移転。これは事業の規模の拡大と複雑化に対応するための移転であり、これを機にJASRACのリブランディング事業を行い、JASRACが創作者の集う場となる将来像を持って推進していくという。
「レコード演奏・伝達権」および生成AIへの言及も
日本政府は5月15日、音楽CDや配信音源が、レストランや店舗などでBGMとして利用された場合などに、アーティストなどの実演家やレコード製作者へ適切な対価を還元できる仕組み「レコード演奏・伝達権」の創設を盛り込んだ著作権法改正案を閣議決定した。「日本のコンテンツに対する海外からの対価還元を進めていく上で必要かつ不可欠なものだと承知しております」と伊澤氏は受け止めながら、「動向を注視し、権利の実現に向けた取り組みを業界全体と連携・協力して進めてまいりたいと思います」と表明した。
高度化、普及が進んでいる生成AIへの対応については、クリエイターが安心して創作に専念できるようAIの活用と調和が取れた枠組みの実現を目指していく。著作権法30条の4の見直しに向けて、行政あるいは海外の管理団体との能動的な調整・議論を実施し、生成AIが音楽市場に与える影響の調査を開始。「AIを利用した作品のJASRACへの届け出に関するガイドラインを作成しています。人間の創作活動へのリスペクトを守る、そういう仕組み作りを進めているところです」と述べた。

また、分配関係の詳細な報告を担当した常任理事の露木氏は、日本の音楽の海外展開における課題として、JASRACなどの著作権管理団体に所属していない作家(ノンメンバー)は作品が海外で利用されても原則、演奏権取り分を受け取れないことに言及し、メンバーになることを呼びかけた。























