WORSTRASH、フロアが熱く波打った熾烈な一夜 敬愛するバンドと切磋琢磨する初の全国ツアー開幕

2月4日から幕を開けたWORSTRASHの全国ツアー『Love Me Kill Me Tour』。このツアーは、バンドにとってキャリア初の全国ツアーだ。WORSTRASHは2025年12月にJMSとマネジメント契約をしたが、今回のツアーには彼らの不変のDIY精神が貫かれていて、各地の対バン相手は、メンバーが自分たちでブッキングしている。リスペクトするバンドにオファーを出し、彼らをリスペクトするバンドが快諾。対バンだからこそのケミストリーが、きっとこれから全国各地で巻き起こっていくことだろう。本稿では、2月4日、千葉LOOKで行われたツアー初日公演の模様をレポートしていく。

平日にもかかわらず満員に近いフロアには、開演前から数多くの観客が集まっていた。この日、WORSTRASHの初の全国ツアーの門出を祝うために千葉LOOKに駆けつけたのは、See You Smile、Good Grief、redmarkerの3組。
トップバッターは、Len(Vo)とbibi(Ba/Vo)が高校生の頃から敬愛しているSee You Smile。 彼らは「俺たちの大好きな、生意気な後輩」に最高の状態でバトンを渡すために、次々と渾身のポップパンクをドロップしてみせた。「Teenagers」では、Good GriefのYasu(Vo)が飛び入り出演するという嬉しいサプライズも。最後はRui(Vo)がWORSTRASHに向けて、「こっから走り出せよ。どこまでも行こうぜ」と呼びかけ、急遽追加した「Golden Life」で熾烈なフィニッシュ。
二番手は、早期からWORSTRASHをフックアップしてきた先輩 Good Grief。Yasuは、bibiが楽屋にベイブレードを10個くらい持ってきたことを明かしつつ、「入りの瞬間から楽屋はベイブレード騒ぎです」と告げ、「改めておめでとう、ゴーシュート!」と高らかに叫んだ上で「FALL BELOW」を投下。そして、「いいツアーにしてほしい。いい報せ、待ってます」と告げ、壮大な景色を描き出す「(i will stay)WITH YOU」「July」を披露。次第に重なる観客のシンガロング。会場全体に満ち溢れた晴れやかなフィーリングがとても感動的だった。
See You SmileとGood Griefは、WORSTRASHにとって先輩の代にあたるバンドであるが、三番手を担ったredmarkerは彼らと同世代のバンドで、2025年12月には、club asiaでツーマンライブを行った仲。お互いにライバルとしての意識を持ち合う関係性だ。redmarkerの3人がこの日にかける想いは、いっ太(Gt/Vo)の「今日死んでもいいと思う。それぐらい大事な日」という言葉に深く滲んでいた。「こいつら、やべえツアーやると思うし、俺らも負けたくない」という想いが貫かれた全身全霊のパフォーマンスによって、次第に狂騒のダンス空間と化してゆくフロア。会場全体が沸々と熱し切った最高の状態で、バトンはWORSTRASHに託された。

まだツアーは始まったばかりなので、WORSTRASHのステージについては、全体の流れや曲順を伏せる形でレポートしていく。何よりも特筆すべきは、ツアータイトル『Love Me Kill Me Tour』のもとになっている2月4日リリースの最新EP『Love Me Kill Me』の楽曲たち。表題曲「Love Me Kill Me」は、すでにしてWORSTRASHの新たなライブアンセムと化していた。サポートギタリストとともに、快活で豪快なサウンドを轟かせていくbibiとTØM(Dr)。自ら手を上下にバウンスしながら観客を煽り、フロア全体を狂騒の彼方へ導いていくLen。そして、彼らの想いに呼応するように懸命にシンガロングを重ねる観客たち。ツアー初日とは思えないほどの一体感が生まれていた。



「SID CHAIN」も今回の重要なピースを担っていたように思う。Lenの熾烈なシャウトに合わせて観客が何度もヘッドバンギングをかましまくる光景は、この日の屈指のハイライトだった。「めっちゃ跳べる曲、作りました」というLenの言葉とともに披露されたのは、「Happy In The Screen」。観客の一斉ジャンプによってフロアが熱く波打つ光景が最高に美しかった。

そして「Route16」は、まるで今回のツアーのテーマソングのような響きを放っていた。同曲を披露する前、Lenは「見慣れた街を抜け出して、見慣れない道を突き進む覚悟を詰めて」と告げた。その言葉と相まって、〈今は見えないものばっか/今は足りないものばっか/俺ら行きたい所ばっか/俺ら知りたい事ばっか〉というラストの歌詞が音源で聴く時以上に深く胸に沁みた。


ここまでは、最新EP『Love Me Kill Me』収録曲を軸に振り返ってきたが、Len曰く「人生が変わった『REDLINE』の翌日に書いた曲」(WORSTRASHは2024年12月の『REDLINE ALL THE FINAL』にオープニングアクトとして出演を果たした)である「Teenage Vibes」や、彼らにとって初のオリジナル曲「Draw up my emotions」もとても輝かしい存在感を放っていた。何より、ライブの最後にLenが叫んだ「今日の3バンド、一生愛してる。今日いたお前らも一生愛してる。本当にありがとうございました!」という言葉の晴れやかな響きが忘れられない。総じて、まるでツアーファイナルかのような熾烈な一夜だった。

この日のステージ上でサプライズ発表されたように、今回のツアーのファイナルは新代田FEVERでワンマン公演として開催される。きっと彼らは、全国各地で敬愛するバンド仲間と切磋琢磨を重ね、さらに何段階もパワーアップした上で新代田FEVERのステージに立つはずだ。期待して、その日を待ちたい。


























