日向坂46、自己最多の初週売上更新の背景とは? 『クリフハンガー』に至る挑戦、ファンベースの広がり

ライブで示した地力の更新、五期生 大野愛実が示した確信

 9月からは全国6都市13公演のアリーナツアー『日向坂46 ARENA TOUR 2025「MONSTER GROOVE」』が行われた。ここで日向坂46は、ライブの見せ方そのものを更新した印象があった。開演と同時に会場が一斉に空色へ染まり、レーザーと重低音でグルーヴの世界観へ引き込む導入からテーマの提示が明確で、能動的にグルーヴを作り上げる姿が前面に押し出されていたのだ。大野愛実がMPCでビートを刻み、正源司陽子がエレキギターを鳴らし、平尾帆夏が鍵盤で旋律を支えるなど、楽器演奏やシャッフルユニットを見せ場として切り離すのではなく、ライブ全体の流れの中にきちんと組み込まれていた。だからこそ、日向坂46のライブ力が底上げされていることが伝わってきたのだと思う。笑顔や幸福感だけで成立させるのではなく、歌唱やダンスの精度、長丁場を支える体力、曲ごとに空気を切り替える集中力までを含めて、グループの地力が強くなっていることを感じさせるツアーだった。

日向坂46 16thシングル「クリフハンガー」特典映像「日向坂46 ARENA TOUR 2025「MONSTER GROOVE」~Director’s Cut Collections~」

 また、ツアーを重ねる中で、五期生が“これからの存在”ではなく、すでにグループの中心として機能し始めていることが、現場ではっきりと伝わってきた。期別曲ではまとまりのあるパフォーマンスを見せ、特に大野はセンターに立つ場面で表情や空気の切り替えの先陣を切り、楽曲の顔として立っていた。新メンバーだから目を引くのではなく、表現そのもので納得させることのできる段階にすでにあったのだ。それを考えると「クリフハンガー」で大野がセンターを務めることが自然に受け止められたのも頷ける。ツアーの中で積み重なった成長と手応えが、そのまま作品の顔へと繋がった形だ。そこに納得感があるからこそ、新体制を支えたい、いまを手元に残したいという思いが自然に生まれ、購入という行動へ結びついていったとも考えられる。ライブを通して広がった支持と、世代交代の進み方が噛み合ったことが、今回の数字を押し上げたのだろう。

 『クリフハンガー』は、そのタイトルが示す通り、この先を見届けたくなる感覚を残すシングルだ。いまの日向坂46がこの体制でどこまで景色を変えていくのか、その続きを見届けたいと思わせるだけの説得力が、すでにあると思う。

日向坂46「ひなリハ」~クリフハンガー~

※1:https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/158131/2
※2:https://www.oricon.co.jp/news/2434112/full/

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