中島健人のアイドル/人間としての生き様に感動 最新公演から溢れる、過去・現在・未来へ向けた深い愛情

中島健人、最新ワンマンから伝わる生き様

 1月23~25日の3日間にかけて、中島健人によるライブ『THIS IS KENTY -IDOL ver2.0-』が、東京・有明アリーナにて開催された。中日の24日は13時開演と18時開演の2公演が開催されたので、中島健人は3日間で計4公演のライブを行ったことになる。私が目撃した最終日・25日の公演だけをとっても約3時間にわたる超フルボリュームの公演だったので、それを3日連続で4公演……と、想像しただけで途方もない気持ちになる。なんてパワー、なんてフィジカル、なんてエネルギーだろう。中島健人という稀代のアイドルに宿る創造性と情熱、そして、それを具現化するバイタリティの高さを感じる。

撮影=田中聖太郎

 私が観た最終日のライブはとても感動的で、素晴らしいものだった。煌びやかな演出や彼らしいチャーミングなユーモアに美しくラッピングされていたが、リボンの紐をほどいてみれば、そこには中島健人の極めて人間的な優しさや温もり、そして、深い覚悟があることがひしひしと伝わってきた。みんな、光り輝く彼に見惚れ、彼が時折繰り出す素っ頓狂な発言に笑いながら、その内側ではずっと彼の“本気”を感じ続けている。“自分にとって大事なもの”を深く見定めた人間はこんなにも清々しく凛としているのかと、感嘆し続けている。この日、中島をサポートした、阿達慶、千井野空翔、竹村実悟、関翔馬、末永光、鍋田大成、田仲陽成、松浦銀志の8人から成る“N’sジュニア”の衣装も中島がデザインしたというのだから、彼のクリエイティビティが血となり、肉となり、このライブの隅々にまで行き渡っていたのだろう。どれだけビッグでゴージャスになろうと、絶対に消えることのない“手作り感”のようなものが、中島健人のライブの魅力なのだと思う。会場にいる多くの人たちが、中島健人の麗しいビジュアルを愛し、彼の滲み出る人柄を愛し、彼のクリエイティブと、そこから見える彼の考え方や生き方にポジティブな影響を受けているのだと実感し続ける3時間だった。

撮影=田中聖太郎

 科学者が“究極のアイドル”を生成するために実験をしている。失敗が続く中、究極のアイドルを生み出すために必要なのは、“アイ=愛”であることに気付く。そして、会場に集まった中島のファン=“U:nity”が中島特製デザインのペンライト“IDOLICの魔法”を輝かせると、センターステージに設置されていたビーカーが上空に上がり、その中にこの日の主役・中島健人が登場。そして、1曲目にして昨年リリースされたEPの表題曲「IDOLIC」が始まる……という、完璧な幕開けを飾ったライブ。ちなみに“IDOLICの魔法”は好きなカードが差し込める形状になっているのだが、これが僕にはどう見ても『仮面ライダー龍騎』(テレビ朝日系)に出てきた仮面ライダー王蛇の武器(べノバイザー)に見えたので調べてみれば、彼が『仮面ライダー龍騎』の大ファンと知り「なんて素敵なセンス!」と唸ってしまった。

 忘れがたい場面の連続のようなライブだったが、その中でも特筆して印象に残った場面のひとつが、「結唱」~「XTC」~「アイドルになった日」という流れで楽曲が披露された中盤の場面だ。N’sジュニアたちと一緒に「結唱」を披露する前に、中島はソロ活動を始めた頃の不安や悔しさを語りながら、U:nityの存在がどれだけ彼にとっての力になり、勇気になったかを語った。「お世辞抜きで、あなた方はすごいです」と、彼は本当に心からそう思っていると伝わる真っ直ぐな口調で会場に集まった人々に感謝を語り掛けた。そして、一緒にパフォーマンスするN’sジュニアたちにも真摯に、対等に、感謝を伝え、「結唱」は披露された。続く「XTC」はすでに大きな話題になっているように、1985年にリリースされた少年隊の往年の名曲「仮面舞踏会」にオマージュを捧げながら、“今の中島健人”だからこそ生み出し得る表現を突き詰めた1曲だ。表面的になぞるだけのオマージュではない。「何故、今、自分はここにいるのか」――それらを深く刻み、伝えるためのオマージュ。そして、中島が作詞作曲・振り付けを手掛けた「アイドルになった日」では、中島はステージから離れ、N’sジュニアだけで披露された。

 「未来への継承」。これも『THIS IS KENTY -IDOL ver2.0-』というライブが抱く大きな意志のひとつだ。MCで中島が、「自分はこれまで多くの背中を見つめ、追いかけてきた。自分が今、後輩たちに同じように背中を見せることができているかはわからないけれど……」というように語る場面があった。でも、この日の最後にステージ上で涙を流していたN’sジュニアたちの存在が、中島健人という背中が如何に大きく豊かなものを後輩たちに見せているのかを表していたと思う。

 時間は確かに流れている。人には、過去があり、今があり、未来がある。とってつけたような“新しさ”だけを求めがちな時代。確かに変化は絶対に必要だ。だけど、過去を簡単に捨ててしまうことは、自分自身を傷つけるのと変わらないのかもしれない。中島健人は常に新しさを求め、変化を求め、挑戦を求めながら、同時に、過去をなかったことにはしたくない人なのだろう。だから、彼は過去を背負って未来に行く。「自分はどこから来たのか?」「自分は何者なのか?」と問いただし続ける。そして、“今”を生きる。どんな光も放っておけばいつしか失われ、消えてしまうから、「Can’t Stop」の精神で、彼は今この瞬間を動き続ける。そして、いつか新しく若い光がこの世界を照らす、そんな未来を見たがっている――この日のライブを通して見えた、そんな中島健人の生き様は、それ自体が今の時代に向けたメッセージのようだった。「過去も、今も、未来も、全部が大事なんだ」と、彼は痛快に証明していた。

中島健人、重岡大毅、岩本照(撮影=田中聖太郎)

 そして、人が生きる上で大事なものは他にもある。友達だ。この『THIS IS KENTY -IDOL ver2.0-』では4日間すべてに違うスペシャルゲストが登場した。1日目は、こっちのけんと。2日目はMori Calliopeとmilet。そして最終日となるこの日のゲストは、なんと重岡大毅(WEST.)、岩本照(Snow Man)のふたり。このふたりの登場に会場は大歓声に包まれた。中島、重岡、岩本の3人、つまり“けんしげひー”の3人で、2013年に3人が共演した映画『劇場版 BAD BOYS J 最後に守るもの』の主題歌「BAD BOYS」を披露。さらに、この日のために中島が書き下ろした新曲「スリーマンセル」が披露された。その力強いパフォーマンスに、会場は大いに熱狂する。まるでポテトチップスを食べながら喋っているような、仲が良すぎる空気感の3人のMCも最高で、素直に「親友っていいな」と感じる時間だった。過去から未来へと連なる時間の流れも、後輩や友人たちの人間関係も、中島健人というひとりの人間を中心に見えてくる“繋がり”のすべてが尊く見える。

中島健人、こっちのけんと(撮影=田中聖太郎)
Mori Calliope、中島健人(撮影=田中絢子/田中聖太郎写真事務所)
milet、中島健人(撮影=河村美貴/田中聖太郎写真事務所)

 アンコールは、なんと3度にわたり行われた。その中で、中島は「2年以内に、必ず東京ドームに行く」とたくましく宣言。そして最後には、「歴史があるから、今がある」と伝え、Sexy Zone時代の楽曲「君だけFOREVER」を歌った。N’sジュニアだけでなく、この日のライブを彩ったダンサーチーム“N’sパフォーマー”の全員をしっかりと紹介し、この大規模なライブを実現させた“N’sスタッフ”たちへの感謝を伝えるところにも彼の真摯さを感じた。中島健人の放つ光は、僕らにとっても大切なものをたくさん照らし出していた。

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