なるみや、ロスとの共演が実現した一夜にーー『秘密のティーパーティー』で示したライブ表現の成熟

なるみやが自身主催のイベント『なるみやと秘密のティーパーティー』を12月25日、神奈川・横浜ランドマークホールで開催した。
上京してから、クリスマスの楽しい思い出をなかなか作れていなかったというなるみや。新たな思い出の1ページを刻もうと企画された今回のイベントは、ライブはもちろん、敬愛するシンガーであるロスとのコラボレーション、トークやゲーム対決、観客も巻き込んだビンゴ大会など盛りだくさんの内容で、笑顔溢れる温かなひとときとなった。
この記事では、昼公演のライブパートをレポートする。
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“秘密のティーパーティー”開幕──「不純喫茶」から生まれた一体感
「ここで開かれるのは、ほんのひとときの秘密のティーパーティー。名前も、肩書きも、ため息も、ここではカップに沈めてください」

なるみやがそう告げると、メルヘンチックなイントロが流れてくる。1曲目は「不純喫茶」。ティーパーティーにぴったりの選曲で観客の心を躍らせた。ステージを覆う紗幕の向こうには、クラシカルなワンピースを纏い、リズムに合わせて身体を揺らしながら歌うなるみやの姿。紗幕越しでも届くよう、ペンライトを振って彼女に喜びを伝えていた観客は、曲が終わると「フゥ―!」と歓声を上げて喜びを表現した。続いては、ジャジーな曲調がミステリアスな雰囲気を演出する「リードコントロール」。ステージ上を右へ左へと歩きながら観客に手を振っていたなるみやは、〈「なら3回まわってお手から…」〉という歌詞を歌い終えると客席にマイクを向けた。そして観客が「ワン!」と応える。ライブならではの一体感が生まれた瞬間だった。

今年6月のライブでは、なるみやもファンも最初は緊張していて、ライブをどう楽しむべきか迷っているように見えた。しかしあれから半年が経ち、この日のライブでは、最初からライブならではのコミュニケーションを楽しむ両者の姿があった。2曲を終え、なるみやが「皆さん、楽しんでいただけてますか?」と尋ねると、客席からは拍手や歓声が返ってくる。なるみやが「私が言うのもアレだけど、(クリスマスに)よくこんなに来てくれたなと。……イジってるわけじゃないですよ?(笑)」と冗談めかして言えたのも、お互いの距離が縮まった証だろう。
クリスマスということで、いつもと違うセットリストを用意してきたというなるみや。3曲目に届けられたのは、back number「クリスマスソング」のカバーだ。雪のように美しくも儚い歌声が会場を包み込んだ。原曲では、好きな相手に想いを伝えられずにいる主人公が、その葛藤を自嘲を交えて歌っている。しかしなるみやが歌うと、照れ隠しの言葉よりも、その奥にある切なさが浮き彫りになっていく。

「クリスマスソング」は多くの人に愛されるウィンターバラードだが、そもそもバラードを歌うのが苦手だったという。歌詞や音程がシビアに伝わるバラードには、ボーカリストとしての実力が求められる。そして自身で曲を作る際にも「この歌詞を、こんなにゆっくり歌っても大丈夫かな?」という気持ちから、なかなかバラードには踏み切れなかったそうだ。しかし、今年6月にリリースした楽曲「月夜の庭にて」で初のバラード制作に挑戦。MCでは、この日のゲスト・ロスと一緒に暮らしていた時期に、温かい気持ちから生まれた楽曲であることが明かされた。そんな制作エピソードとともに披露された「月夜の庭にて」は、観客の心に一層深く染み入ったことだろう。























