TETORAが“本気”を貫き続ける理由とは 初主催フェスから日比谷野音まで、挑戦尽くしな2025年を振り返る

TETORA、挑戦尽くしな2025年を振り返る

「命を賭けてライブをやらへんと、このバンドが死んじゃう」(上野)

――そして現在は、来年2月まで続く『HITORIJIME CLUB TOUR』の真っ最中。改めて2025年は、TETORAにとってどんな年でしたか?

上野:いろんなことあったなあ……。初めて武道館をやった2024年に、「これ以上いろいろなことがある年はないやろ」って思ったけど、それを超えるぐらいいろいろあった。そんなに器用な人間ではないから、「この時期はフェス」「この時期はツアー」ってずっと一点集中で、何かしらやりながら駆け抜けてきた。ちゃんと脱皮できた実感があります。

ーー脱皮とは?

上野:いい意味でいらん部分を捨て去って、自分たちらしさを貫いていけるようになったというか。そうやって脱皮しなかったら、腐っていくらしくて。「これを保つためにはこれが必要だと思っていたけど、なくてもちゃんとカッコよくいられるよね」って気づいたり。今まで否定してきたものの良さに気づいて、新しく取り入れるようになったり。自分たちの軸を保つためにちゃんと脱皮できた年っていう感じがします。

ミユキ:去年の武道館に引き続き、今年も『KAKUSHIN CLUB』に日比谷野音など、いろんなことに挑戦させてもらえる環境があって。チームのみんなやメンバーの2人に感謝しつつ、また来年も、3人でいろいろなことに挑戦していきたいなと思いました。ツアーでは初めてワンマンをする県もあって。「もっといっぱいライブをしに行きたいな」と思いました。

――最終的にはやっぱり「ライブやりたい」なんですね。

いのり:そうですね。ライブじゃない日、何したらいいかわからなくなるような人間なので(笑)。あと来年は、今年出られなかったフェスに出られるように頑張りたいです。

上野:今年は『KAKUSHIN CLUB』に集中させてもらってたので。

TETORA 撮り下ろし写真

ーーでは、TETORAのライブへのモチベーションについて聞かせてください。TETORAのライブからは「現状維持じゃダメなんだ、一歩でも先に行かなきゃ」みたいな執念を感じるのですが、お三方は今どんなことを最大のモチベーションとしているんですか?

上野:「やるか死ぬか」ですね。私は生まれも育ちも京都府なんですけど、父親が大阪の南の方の出身で、岸和田のだんじり祭によく連れて行ってもらったり、映像で見せてもらっていたんです。みんなで人が乗った神輿を持ってダッシュするから、電柱にバーンって当たったり、道の端の家が潰れたり……ライブでゾーンに入ってる時は、自分のことをだんじりの上の人やと思い込んでやってます。

 あと「やる」or「やらへん」じゃなくて、「やる」or「やる」しか選択肢はない、みたいな。「命を賭けてライブをやらへんと、このバンドが死んじゃう」「だから、やる」っていう気持ちで、いつもライブやってます。出しきれへんかった日って、周りからも「カッコよかった」と言ってもらえなかったりするし。それに、私は裕福な人でもなかったから、頑張ってお金を貯めてチケットを買ってくれた子たちの気持ちもすごくわかるというか。自分が観に行ったライブでバンドが本気じゃなかったら、台無しだよなって思うので。だから、やるしかないんだって。出しきりすぎて、次の日もライブなのに声出えへんことがあるから、そこは少しだけ気をつけたいです。

ーーいのりさんはいかがですか?

いのり:私は小さい頃にピアノを習ってたんですけど、当時先生から言われた「自分が一番強いと思いや」という言葉が今でもめっちゃ残ってます。ライブの時は「自分が一番強い」「一番カッコいい」と思ってます。対バンで呼んでもらったライブとか、「TETORAってバンド知らない」みたいなお客さんがおる時は、自分にそう言い聞かせてる。でも最近、アウェーも楽しいなと思い始めていて。

上野:お客さんがドン引きしてる時とか、ちょっとテンション上がったりする(笑)。

いのり:そうそう。「ホンマに興味なさそうやん、どうしよっかな~?」って考えるのが楽しいです(笑)。

ーーミユキさんは?

ミユキ:私は普段喋るのも得意じゃないし、人前に出ることもそんなに得意ではないんですけど、ライブをしてる時だけは別の自分になれるというか。もともとUVERworldがきっかけでバンドを始めて、ボーカルのTAKUYA∞さんの情熱的な雰囲気に憧れを持っていたのもあって、自分もライブ中には思いっきり爆発できる気がするんですよね。それがモチベーションに繋がっているのかわからないけど、“自分として生きていける”という感覚が私にとってすごく大事なものなんです。

TETORA 撮り下ろし写真

――ありがとうございます。最後に、2026年はどのような活動を予定していますか?

上野:さっきも言った通り、2026年は『KAKUSHIN CLUB』はやらないんですけど、8月に“新しいこと”に挑戦したいなとは思っています。あと、CDも出したい!  今レコーディングしたり、曲を作ったりしているので、しっかり出せたらいいなと思ってます。来年も引き続き、いろいろなことにチャレンジできたらと…………TETORAってずっとチャレンジしてる気がするんですよ。武道館も、日比谷野音も、フェスも、ポリープ手術も(笑)。考えてみれば、いろんなことしてる。「最新のTETORAが一番カッコいい」でいたいから、挑戦し続けたいです。

◾️リリース情報
『ミッドナイトカモフラージュ』
会場限定シングル:¥1,000(tax in)
<収録曲>
1.ミッドナイトカモフラージュ
2.ハチク
3.バースステイアライブ

『ミッドナイトカモフラージュ』特設サイト
※特設サイト内では「ミッドナイトカモフラージュ」Music Videoを視聴可能。本サイトは、楽曲タイトルに込められた“夜に紛れる”“暗闇に佇む”という世界観にちなんだ仕掛けを採用しており、スマートフォンから暗闇でのみ閲覧可能という独自仕様となっている。

TETORA 公式サイト

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