FRUITS ZIPPER 松本かれん「まだ成長中だと思う」――いっぱい泣いて、楽しんで、夢を叶えた1年を語る

FRUITS ZIPPER 松本かれん インタビュー

月足天音の不在で気づいた7人のチームワーク

松本かれん

――先ほど悔しい経験をされたと話していた、さいたまスーパーアリーナで8月2、3日に『FRUITS ZIPPER 3rd ANNIVERSARY 超めでたいライブ-さん-』の追加公演『さいたまスーパーアリーナ25周年 FRUITS ZIPPER 3rd ANNIVERSARY 超超超めでたいライブ -さん-』を開催されました。2日間で約5万人が来場したこの公演は、前回の“アリーナモード”よりも規模を拡大させた“スタジアムモード”に会場を設定し、演出やパフォーマンスを含めて非常に評判が高かったですね。

松本:過去初めてくらい「こういうことしよう!」とか「どうしたら楽しくなるかな?」と、みんなでやりたいことや意見を出し合って臨んだライブでした。その結果、ファンのみんなも喜んでくれて、私たちも大満足で嬉しかったです。

【ライブ映像】FRUITS ZIPPER「かがみ」/『さいたまスーパーアリーナ25周年 FRUITS ZIPPER 3rd ANNIVERSARY 超超超めでたいライブ -さん-』

――追加公演の最終日には、来年2月1日に東京ドームで開催するワンマンライブ『FRUITS ZIPPER SPECIAL LIVE 2026「ENERGY」』がサプライズで発表されました。

松本:ビックリしました。私、東京ドームのことをアイドルになるまで知らなくて。遊園地のことだと思っていたんですよ。

――多分、東京ドームシティ アトラクションズですね。

松本:ハハハ、そうかも! とにかくライブをしている想像があまりついてなかったぐらい、現実的に意識したことがなくて。やっぱり、すごすぎるじゃないですか。今もそんなに実感が湧いていないです。「やれるんだ〜!」とわかってはいるけど、まだ自分が立っている姿が想像できていない。でも、この前Perfumeさんのライブで初めて東京ドームに行ったんですよ。「ここでやるんだ」と思ったら、ちょっと緊張しました。

――初めて行った東京ドームは、松本さんの目にどう映りましたか?

松本:会場が広すぎて「ここがファンの人でいっぱいになるのかな?」と思ったけど、でも「なるんだろうな」って嬉しくなりました(照笑)!。

――東京ドームもそうですし、先ほど触れた年末の『第76回NHK紅白歌合戦』の初出場も大きなニュースでした。結成初期から目指していた大舞台ですけど、いざ出場を聞いたときの心境はどうでしたか?

松本:「よかった〜!」と思いました。去年(『紅白』に)出られなくてみんなで「めっちゃ悔しい!」と言ってて。ファンの人も「悔しい」「絶対に出て欲しい」と思ってくれていたから、今年の初めから『紅白』出場を目標にしていたんですよ。なんとしてでも絶対に出たい、って。それを叶えられてウチらも嬉しかったし、ファンのみんなのことを考えて安心しました。「よかった、出られたよ」って。

松本かれん

――周りの方から祝福の声は届きましたか?

松本:たくさん言われましたし、ママとパパがめっちゃ喜んでいました。FRUITS ZIPPERになるときに「みんなで『紅白』に行けるアイドルになろうね」と約束してて。当時、私はどれだけすごいことなのかがわかっていなくて、メンバーが「絶対、『紅白』に行こう」と言ってるときに、私は「行こう、行こう〜!」みたいなテンションで言っていたんですよ。

――ハハハ、フランクなノリというか。

松本:そのテンションでママとパパにも「『紅白』に行くよ!」みたいな感じで伝えていたけど、ふたりは本気にしていなくて。でも、発表されてから「本当に行くことが決まったね!」と驚いていました。

――ご両親の話から繋げると、11月5日にリリースされた松田聖子さんのオフィシャル・トリビュートアルバム『永遠の青春、あなたがそこにいたから。〜45th Anniversary Tribute to SEIKO MATSUDA〜』にFRUITS ZIPPERが参加したときも、お母さんは喜ばれたそうですね。

松本:めっちゃ喜んでました! ママは松田聖子さんがすごい好きで、車のなかでよくCDを流していて。この前、トリビュートのCDをいただいたんですけど、それをママが家に飾っています。

――家族の話題で言うと、芸能界にTUBEの前田亘輝さんというパパもできて。

松本:あ、そうなんです! めっちゃ優しくて、裏でも“パパ”って呼んでいるんですよ。『Mステ』(『ミュージックステーション』/テレビ朝日系)に出演したときに前田パパと廊下ですれ違って、私が「パパ〜! あっちにみんないるよ〜!」と話しかけたら、湘南乃風さんたちが「前田さん、パパって呼ばれてるんですか!」とビックリしてました、ふふふ。

――大御所ですからね。公式お兄ちゃんのマユリカさんもそうですし、どんどん芸能界に家族が増えていって。

松本:そう、味方がいっぱいいる! 前田パパの話をもうひとつすると、メンバーがちょっと体調を崩していた時期があったんです。そうしたら、神社へお参りに行った写真をX(旧Twitter)に載せて「みんな、ゆっくり休んでね。パパより」みたいにポストしてくれて。本当に家族みたいだなと、とっても心強い気持ちになりました。

――お話しいただいたトピック以外に、今年を振り返って印象深いことはありますか?

松本:やっぱり、月足の復帰です。これまで気づいていなかったんですけど、月足のパートを歌ってみたら、キーが高くてめっちゃ難しかったんですよ。それまでは当たり前のようにみんなでパートを分けっこしていたから気づかなかったけど、実は月足だけじゃなくて、みんなが得意なことや苦手なことを役割分担していて、そうして7人のチームワークが成り立っているんだな、って再確認できたんです。だから、月足が戻ってきてくれてめっちゃ助かる。それに、普段からめっちゃ仲良しで「本物の姉妹です」と言ってるんです。だから……帰ってきてくれてすごい嬉しい! 「月足が帰ってきてから、かれんがめちゃくちゃ元気になった!」って、ファンの人とかスタッフさんにもめっちゃ言われました。

――復帰された月足さんはもちろんですけど、それ以上に松本さんが活き活きしていると。

松本:そうなんです! 自分ではそこまで自覚してなかったけど、みんなからあまりにも「かれんが元気になった」と言われるから、本当にそうなんだと思って。とっても助かりました(笑)。

松本かれん

――メンバーとの絆で言うと、今年5月に雑誌で櫻井優衣さんと対談されたときに、松本さんが感涙する場面がありましたね。

松本:優衣ちゃんのことで話したいことがあります! ライブ中に私の体調が悪くなりやすかった時期があったんです。これはファンの人も知っていることなんですけど、ライブの途中で袖にはけて戻ってこれなくなっちゃったことが何回か続いちゃっていて。そのとき、優衣ちゃんがめっちゃ心配してくれていて。ライブ前に「もし、歌っている途中で無理そうと思ったら、踊らないで私のところに来ていいよ」と言ってくれたんです。「端っこにいてもちゃんと見てるから、無理だと思ったらおいで。一緒に歌おう」って。それにすごく救われたんですよ。最後までライブに出られた日は、私のところに来て「できたねー!」と言って一緒に喜んでくれて。私がピンチのときに、すごく支えてくれました。

――一緒に数多くのステージに立っているからこそ、お互いの変化にも気づけるし、誰よりも心配してくれる。

松本:そうなんです。お互いがほかのメンバーに対しても「イヤモニから聴こえる声がいつもと違うな」「目がいつもと違うけど、大丈夫かな?」と変化を察したら、MC中に水を飲みに行くときに「大丈夫? 無理そうだったら一緒に歌おうか?」と言い合ったりしていて。私が途中で歌えなくなっちゃったときも、「歌えないかも」と言ってなかったのに、みんなが代わりに歌ってくれたこともあって。言葉で共有していなくても、6人が瞬時に気づいて助けてくれます。めちゃめちゃ良いグループ!

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