M!LK「好きすぎて滅!」や=LOVE「とくべチュ、して」などで注目! 槙田紗子に聞く、“踊りたくなる”振付の秘密

槙田紗子、“踊りたくなる”振付の秘密

キャッチーさを意識した中島健人「JUST KENTY☆」・M!LK「好きすぎて滅!」制作秘話

中島健人「JUST KENTY☆」Dance Performance "N / bias"巡 STAGE SET ver.

ーー2025年を振り返ると中島健人さんの「JUST KENTY☆」も手がけました。これまでも男性アイドルを担当することはありましたが、これまでとテイストの異なるアーティストであるように感じます。

槙田:中島健人さん、つまり、“ケンティ”の「JUST KENTY☆」というタイトルの楽曲を頼んでくださったことがありがたかったです。中島さんがソロアイドルとしてリリースしてきた楽曲はダンサブルなものが多くて、パフォーマンス重視のかっこいいおしゃれな曲が多い印象でした。でも、私自身もそうですし、世の中は中島さんに対してアイドルの鑑のようなイメージを持っていると思うんです。そんな中で、私に依頼していただいたということで、かなり面白いことができるんじゃないかとワクワクしていました。

ーーまさに「JUST KENTY☆」というような、世の中の“ケンティ”像を映し出すような楽曲でしたが、どのように制作は進みましたか?

槙田:いかに中島さんをキャッチーな存在にするかということに集中しました。中島さんってパフォーマンスももちろんですが、存在そのものがキャッチーな存在だと思うんですよ。あの唯一無二なオーラを振付でもっと引き出せればと考えていました。

ーー冒頭のポーズからかなりキャッチーですもんね。

槙田:振付を作る時は当然本人が踊っているところをイメージして作るので、中島さんが踊ることを想像して考えていたのですが、いざ振り入れをしてご本人が踊ると、私のイメージの何倍も素敵に表現してくださって感動しました。

M!LK - 好きすぎて滅!(Dance Performance Movie)

ーー今絶賛大ヒット中のM!LK「好きすぎて滅!」もまさにキャッチーな振付でTikTokでは多くの人が踊っています。

槙田:「好きすぎて滅!」に関しては、曲をいただいてすぐに振付ができました。「この曲最高!」と思って踊っていたらいつの間にかできてましたね(笑)。

ーー音楽番組でM!LKがパフォーマンスしているのを見ると、スタンドマイクで踊るボーイズグループはかなり久しぶりに見るようにも感じました。

槙田:実はもともと、スタンドマイクでのパフォーマンスをしたいという要望があったんです。それと、曲中にハンドマイクになる瞬間が欲しいと。タイミングはお任せしますと言われていました。確かに最近はスタンドマイクでパフォーマンスをするグループは珍しいですが、私自身がNEWSさんの「チャンカパーナ」やタッキー&翼さんの「夢物語」などを見て育った世代なので、私にとっては馴染みのあるスタイルなんですよね。ちょうど平成リバイバルということで、「好きすぎて滅!」もあの頃のアイドルソングらしい、どこか懐かしいテイストだったので、楽しく制作することができました。

曲と振りがリンクして、「踊りたくなる振付」に

ーー槙田さんの振付はアーティスト自身のパフォーマンスのみならず、ダンスをカバーしている動画がTikTokで多く投稿されることが多い印象を受けます。なぜ槙田さんの振付は「踊ってみたい」と思わせるようなものが多いのでしょうか。

槙田:多分、歌詞とリンクしてるからかなと思います。ダンスのレッスンを受けたことが無い人も踊りたくなるというか。「Y.M.C.A.」(Village People)の有名な振付って〈Y.M.C.A.〉に合わせて反射的に誰でも踊れるじゃないですか。歌詞の〈Y〉に合わせてYのポーズをすることってダンスを習ったことがなくても理解ができて頭に入ってくる。それと同じで、〈好きすぎて滅!〉(「好きすぎて滅!」)の〈滅!〉に合わせて、“滅”のポーズをすることって分かりやすいし、曲と振りがリンクしているから身体が勝手に動くというか。

ーー確かに、私もダンスの経験はないんですが、MVや音楽番組を見ているだけで振付を覚えられて、いつの間にか自分でもなんとなく踊れるようになってることが多いです。

槙田:もしかしたら私がダンサー出身じゃないからかもしれないですね。元々アイドルで、アイドルの振付を考えたことが最初だったので、歌いながら踊ることが前提なんです。だから、歌とダンスがリンクしているし、そのほうが歌いやすいし、踊りやすいと思うんです。考えた振りがどれだけ良くても、歌っていて違和感があるものは絶対やらないようにしていて。もしかしたらそっちの方がかっこいいダンスになるかもしれないけど、そういうものが求められているなら私ではない振付師さんに依頼していると思うので、自分にできるもの、求められているものを制作するようにしています。

ーーやはり、PASSPO☆としての活動の影響も大きかったんですね。

槙田:アイドルって色々な仕事があると思うんですけど、その中でも振入れは自分的にかなり楽しい仕事で、「この曲はどんな振りになるんだろう」「次にどんな動きが来るんだろう」とワクワクしながら振り入れをしていたんですよね。しかも毎回私が想像したものよりかわいい振りが付くから新鮮で。その時の感覚があるから、私も頑張ろうと思えるのかもしれませんね。

ーーでは、最後に、槙田さんが振付において一番大事にしていることを教えてください。

槙田:振付ってその人の個性が出るものだと思うんです。アーティスト自身も、音楽も振付けによってより良く見えるようになるものを意識していて、そうじゃないと振付する意味がないと思っているので、振りが付くことで「この曲が好き」って思ってもらえるようなものを意識しています。

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