IMP.はなぜ野心を燃やし続けるのか 2026年に向けての狼煙『MAGenter』完成――挑戦の日々を語り合う

「歌に対する向き合い方が変わった」――スタッフらも実感するIMP.の成長

――既発の曲や先行配信の「KISS」を聴いただけでも1stアルバムとは違う性質のアルバムになっているなと思います。みなさんはどんなアルバムになったと感じていますか?
基:『MAGenter』というタイトルにIMP.のコンセプトカラーであるマゼンタピンクを持ってきているというのもあって、やはり僕らのカラーが存分に出ている楽曲構成になっているなと思います。全体的にミステリアスでスタイリッシュな楽曲を中心に構成しているんですけど、今回の試みとして、メンバーそれぞれの声の特徴に合った楽曲をディレクションチームに選定してもらったんです。普段は僕だったらラップパートが多かったりするんですけど、今回はR&Bで歌い上げるようなシーンもあったりして。そういった意味でも、それぞれの声が全面的により出ている作品になっているんじゃないかなと思います。
影山:新しい一面を見せていきたい、セクシーな色気のある雰囲気を出していきたいっていうので、本当に幅広いジャンルから楽曲を取り入れました。基の言ったようにそれぞれのフィーチャー曲もありますし、音源を聴いてというのはもちろん、ライブで新しい一面を知ることができる部分もあると思います。今まで応援してくださってるPINKY.はもちろんですけど、これからIMP.を知ってくださるっていう方もアルバムを通してIMP.の沼にハマれるような楽曲が集まってるんじゃないかなと思います。
椿:ディレクションチームとの絆もだいぶ深まってきて。たとえば、「CARAMEL」は「Ice cream」(『DEPARTURE』収録)を作ってくれたチームと一緒だったりして。どれか一曲の歌詞を取っても、前回のアルバムに入っていた曲の歌詞からキャッチーなワードが入ってる曲もあって。点と点が線になって、どんどん僕たちのカラーが浸透していけばいいなと思いますね。
松井:そのディレクションチームの方が、「IMP.のみんなの歌に対する向き合い方が変わったね」っておっしゃってくださって。僕も完成形を聴いて「新しいな」「かっこいいな」って思うことがあったんですよね。耳で聴いた時の感動もあると思いますし、それを携えてのツアーでどういう見せ方をするのかも、楽しみにしていただければなと思っています。
鈴木大河(以下、鈴木):たとえば、今までは細かく歌割りを考えていたところもあったんですけど、今回はひとりのメンバーがAメロを全部任されるようなこともあったりするんです。今までは全員の力を合わせて作り上げていたものが、一人ひとりのテクニカルな部分のレベルが上がったことによって、より大きな作品ができあがったのかなっていうのは感じます。
――スタッフやチームの皆さんからのハードルも「この7人だったらここまでできるだろう」って、今まで以上に上がっているというか。
基:そうかもしれないです。
鈴木:要求のレベルが高くなっていて、僕らもそれに食らいつく形でできたのかなと思っています。
佐藤新(以下、佐藤):でも、レコーディングはシンプルに大変でした(笑)。たとえば、Aメロのほんの2行にもすごく熱を入れて、アクセントだったり、英語の発音だったりにこだわって、ディレクションチームも僕たちもすごく時間をかけて作ったので、一曲一曲がすごく思い入れの深い作品になっています。舞台やそれぞれの仕事で得た経験もソロパートに活きていると思うので、そこも注目してほしいです。
横原:そうだね。基が言ったように、今回はそれぞれメンバーがフィーチャーされている曲があるっていうのが特徴で、そのなかでIMP.としてまた大人な一面を見せるっていうことができたと思います。リード曲の「KISS」もそうですけど、それ以上に、それぞれのフィーチャー曲では「この人はこういう歌い方もできるんだ」とか「こういう曲でこういうアプローチするんだ」というような発見がありました。

――アルバムを象徴するもののひとつが、リード曲の「KISS」だと思います。この曲にもみなさんのこれまで見せていなかった一面が顔を覗かせているような気がするんですが、レコーディングするうえではどんなことを意識していましたか?
影山:「KISS」に関しては、僕は歌う時の空間や距離感を意識しました。自分のフレーズを、誰に向かって、どういう環境で歌ってるのかというところまでを意識してレコーディングに挑みましたね。そうやってイメージするだけで、「こういう声も出るんだ」っていうのもありましたし。音楽って、目に見えないからこそ、歌声だけでどうやって世界観を伝えるかが難しいじゃないですか。そこをイメージして歌いましたね。
――歌詞も具体的に説明するというよりはニュアンスで伝えるような曲だから、より歌の表現のディテールが大事になってくる感じがしますよね。
影山:うん、そうですね。
――鈴木さんはどうでしたか?
鈴木:僕は2番のサビのウィスパーの部分を歌っているんですけど、音が強めのダンスチューンのなかで、そこはあえて前に出ないで、耳元で囁いているような距離感で歌って。ミステリアスなラブソングというテーマがあったので、その部分を大事にしてレコーディングしたかなと思いますね。頑張ったポイントでもあり、自信もあります!
佐藤:僕もいい意味で歌っぽくないようなパートも多くあったんですが、レコーディングはスムーズにできました。イメージがハマっていたのかなと思います。よりよい発声で歌いたいというのもあったので、ボイトレをやったりして。多少は自分の成長を感じられたかなと感じています。
――うん、本当に今までにないIMP.が見える曲になりましたし、それはアルバム全体を通してもそうなんでしょうね。アルバムとしての聴きどころは?
横原:「Align」という曲は初めて聴いた時からかっこいいなって思っていました。リーダー(影山)がフィーチャーされていて、メインで歌っているんですけど、「俺がやりたかったな」と思うぐらいかっこいい曲で(笑)。
影山:へへへ!
横原:でも、仕上がり聴くとリーダーの声に合っていますし、ライブでの演出もいろいろ想像が膨らむような曲なので、注目してほしいですね。
佐藤:僕は、大河くんとふたりで歌うユニット曲の「I Love Gotcha」が聴きどころだと思います。「昔だったらこういうパートはできなかったな」というところも安定感を増してできるようになったり、自分の成長を感じられる曲になりました。僕はメロディアスな曲が大好きなので、歌っていても楽しかった思い出があって。すごくお気に入りの一曲ですね。



















