一生、ガガガSP バンドが前に進む決意を固めた『桑原康伸追悼ライブ』【コザック前田終演後インタビューあり】


『桑原康伸追悼ライブ』コザック前田インタビュー
――10月31日神戸・ワールド記念ホールで『桑原康伸追悼ライブ』が開催されて、数日が経ちました。無事、終わってみての感想はいかがですか?
コザック前田(以下、前田):そうですね、終わってから風邪ひきました(笑)。あの日のライブに関しては、もうちょっと気持ち的にスキッとするかな? と思ったんですけど。自分がライブをやるよりも、出演してくれた3バンドのライブを観てる方が、気持ち的に区切りがついた気がしました。
――出演してくれた3バンドを見て思ったことは?
前田:BRAHMANのTOSHI-LOWさんが、「峯田が出た方がいいんじゃないか? スタパンが出た方がいいんじゃないか?」って冗談で言うてましたけど。僕らの中では桑原を追悼するという意味で、繋がりとして欠かせない3バンドやったんで。どういう形になっても、自分らを合わせて、この4バンドで行きたいっていう気持ちがあって。とは言え、四星球以外はいつも一緒にやってるというバンドではないので。お客さんを巻き込むってことも含めて、どういう感じのライブになるのか? と思ってたんですけど。心配するまでもなく、お客さんも納得してくれるライブを三者三様でやってもらえたことが嬉しかったです。
――それぞれの想いがあったからこそ、それぞれの想いをもってライブに臨んだお客さんが共感出来る部分、理解出来る部分が必ずあったと思うし。ああいう場が設けられて、ライブという形で追悼出来たことがすごく良かったと思いました。
前田:3月29日にお別れ会をやって。その時はお通夜やお葬式に来れなかった人やファンも含めて、お別れっていうのをひとつ形にしたかったんですけど。お別れ会を終えても、自分たちは「次に進んで行くんだ」って区切りにならなかったんです。その後、『COMING KOBE 2025』が10月にあったんですけど、そこもひと区切りにはならなくて。やっぱり自分たちの仕切りで、ちゃんとライブというイベントを開催して。そこでやっと、ひとつの区切りを付けれるんじゃないか? と思って、追悼ライブを決めたんです。
――追悼ライブで自身のライブを終える時、「全部、自分の中で決着がついたような気持ちです」と言ってましたが、そこにはどんな真意があったのでしょうか?
前田:最初、小さいライブハウスでセックスマシーンを呼んだり、花団を呼んだり、本当に縁の深いバンドをたくさん呼んで、オールナイトでわちゃわちゃとやろうという話もあったんですけど。ワールド記念ホールという大きな会場を選んだのは、『COMING KOBE』であの会場に初めて立った時、桑原が「やっと僕ら、ここまで来ましたね」って僕にこそっと言ってきたという思い出があって。「ワールド記念ホールでやりたい」って気持ちがあったんです。とは言え、大きな会場ですし、簡単に取れる場所でもないと思ってたら、運よく金曜日に取ることが出来たので。「じゃあ、どんなメンツにしようか?」っていうのを、みんなと相談して。まず、初期の段階で一番仲良くしてくれていた、マキシマム ザ ホルモン。あと、桑原のおかげで繋がることが出来たBRAHMAN。そして、ウチのコピーバンドからバンドを始めたって言ってくれてる四星球という、3バンドの名前が上がって。



――その3バンドのスケジュールがあって、出演を快諾してくれたというのも奇跡です。
前田:そうですよね。だから、その3バンドで出来たっていうのが、桑原へのすごい供養になった気がしたんです。もちろん色んな不安もあったし、どういうライブをしようっていうのは当日までまとまらなかったんです。普段からMCも細かい台本があるわけではないので、大体しか喋ることを決めないんですけど。「そういうのも全部無しにして、今日は本当にその時に言いたいことを言おう」と思えたのも、他の3バンドを見たからやったし。この3バンドがタスキを繋いでくれて、最後にアンカーとしてやらせてもらうことのありがたさも感じてましたし。最後にタスキを受け取ってステージに立って、40分50分のライブが出来たっていうことで区切りというか、供養になった気がして。ライブを終えた時、清々しい感じでおれたんやと思います。
――あの日のガガガは、すごく気持ちのこもった良いライブだったし、MCも前田くんがその時、本当に思っていることや話したかったことが伝えられたから、すごくリアルに伝わってきて。ガガガのライブや前田くんの言葉に、ファンもひとつ区切りが付けられたと思うし、「ここからも応援していこう」という気持ちにもなれたと思います。
前田:だったら嬉しいですね。「桑原が亡くなったことによってガガガSPは解散、ワールド記念ホールがラストライブです」ってことやったら、また話が違ったと思うんですけど。あの場で「これからもやっていく」っていうことをちゃんと伝えることが出来たっていうことに、大きな意味があったと思います。
――桑原くんが亡くなった後もサポートを入れて、止まることなくライブを続けてきたけれど。改めてこういう場を設けたことで、ファンも気持ちを切り替えられたと思います。サポートベースのミナトマチよねだくんのプレイもすごく良かったですね。
前田:彼には彼のプレッシャーがあったと思いますけどね。
――後ろにでっかい桑原くんのパネルが立ってるわけですからね(笑)。
前田:そうですよね。でも、よねだくんが「ガガガの火を消したくないんで」っていう、嬉しい想いを持ってやってくれてるんで、僕らとしてはすごい助かってますし。こうやって怒涛のような活動が出来たのも、彼のおかげだと思っています。
――自分の中で決着がついたところで改めて思う、桑原くんへの想いっていかがですか?
前田:桑原は亡くなる2~3年前から、あんまり元気が無かったんです。言葉も少なくなっていて、いまから考えたら、ちょっと体調良くなかったのかな? とか、精神的に落ち込んでたのかな? と思って。その時にああしてやれば良かったとか、こうしてやれば良かったっていう気持ちはいまもあるんですけど。僕らに悩みを言うこともなく、亡くなっていったというところがあるので。彼がガガガSPとして全うしたということはすごく尊重したいし、偉かったなと思うし。ホンマにええヤツやったなと思います。
――桑原くんが心身不調でも、弱音も吐かずにガガガSPをやり切った姿を見て、残された人たちもバンドを続ける決意が出来たところはきっとありますよね。中途半端にいなくなっていたら、「このまま終わってもいいんじゃないか」と思ったかも知れない。
前田:そうですね、続けていくのは桑ちゃんのためでもあって……っていうと、ちょっと重い感じもあるかも知れないですけど。追悼ライブっていう、「桑原康伸って人間は、これだけお客さんからも愛されていたんだよ」っていうことが、僕らにも改めて分かる機会を最後に作れたのは良かったと思いますし。「これからもガガガSPはやっていきます」って決意表明をする場になったのも良かったですし。これまでのことと、これからのことの両方がちゃんと繋がっていけたイベントになったなというのは、改めて思います。

――「これだけのイベントが桑原のおかげで出来て、これだけ人が集まった。そう考えたら、あいつは最高の人生やったと思います」とライブのMCで言ってましたが。桑原くんが最高の人生を送れたことを証明してくれました。
前田:最初を思い返せば、たーじん(田嶋悟士)の紹介でウチに入って。彼が入るまではお金もなくて、機材車で寝泊まりして、炊飯器をライブハウスに持ち込んでみたいな生活をしてたんですけど。やっとツアーに行ったらホテルに泊まれるようになってから、彼が入ってきたんで、「あいつはシンデレラボーイか!?」と(笑)。
――わはは、炊飯器で米炊いて食べてた時代を知らないわけですからね。
前田:だから、苦労を知らない男ではあるんですけど。そこから24年間、寝食をともにしてっていうのを考えると、いろんな思い出がありますし。特に若い時のことを思い出すと、友達というか弟というか、そんな感覚やったなと思いますね。
――客観的に見ても、弟みたいで可愛いんだろうと思ってました。どこか放っとけないし、憎めないヤツみたいな。
前田:いや、そうなんですよね。なんでもテキパキやるようなヤツでもなかったんですけど、その分、愛されキャラというか。メンバー内でもそういう感じやったと思いますね。
――出てくれたバンドもそういう印象だったのが、MCの端々から見えましたね。いまはふとした瞬間、桑原くんが頭に浮かぶこともあります?
前田:ありますね。追悼ライブの時、四星球の(北島)康夫が、桑原のジャージの格好して楽屋に来た時、「ダンナ、出てきた!?」ってびっくりしましたからね(笑)。「え、これ何のイベントやっけ?」って思いました。
――わはは、「追悼って言ってるのにおるやん!?」って(笑)。ではさっきも話したように、追悼ライブでファンもひとつ決着がついたと思うのですが。改めて、ファンに向けて伝えたいことはありますか?
前田:ガガガSPとしては、ここからもやっていくのみなんですけど。桑原がいなくなったことで、僕たちのファンを終わらせてもらいますという人もいるんでしょうし。桑原の存在を知らない新しいファンが増えたり、入れ替わっていくこともあると思うんですが。みんなには「ガガガSPってバンドがいたな」でもいいですし、「昔よく聴いてたな」でもいいんで、なにかの時にふと思い出してもらえたらいいなと思ってます。人の思い出の中にちゃんと残ってるってことが一番大事なんじゃないかと思うし、亡くなっても歌は生き残っていきますから。桑原康伸って存在が、歌と一緒に思い出に残ってくれると思ってます。
――最後に、これからのガガガSPについて。やり続けるということに尽きると思うんですが、前田くんの中で描いている、今後のガガガSPについて聞かせて下さい。
前田:桑原が最後にくれたLINEが、「僕はガガガSPとして一生やっていきたいです」って言葉やったんですが。桑原が酒でやらかしたことがあって、「僕も酒やめたから、相談乗るから。酒やめたら?」ってLINEをしたら、「僕もやめます」って言って。結局、やめてなかったんですけど、その時も「僕はずっとガガガSPのベースでいたいです」と言ってくれて。彼は最後までガガガSPのベースやったし、僕らは彼の不安や悩みを取り除くことが出来なかったですけど。それでもやっていくっていうことが、桑原に対しての答えかな? と思ってます。出来ればめっちゃ売れて、「おまえ、まだ生きとって良かったのに!」って言えるくらい、売れてるところを見せたいって気持ちもあるんですけど。まぁ、ライブでも言うた通り、残ったメンバー3人も「死ぬまでガガガSPでした」って言えるように。客が多くても少なくても、精進出来るライブがしていけたらと思ってます。これからも頑張って行くんで、よろしくお願いします。
























