「抱いてセニョリータ」はどうして“セニョリータ”? 作詞家zopp氏に聞く、山下智久ソロデビュー制作秘話

山下智久が持つ“陰”の魅力

――今回久しぶりに披露することになりました。リリース以降も後輩がカバーしたりと、根強い人気を誇る楽曲になりましたが、zoppさんはなぜ「抱いてセニョリータ」がここまで愛される楽曲になったと思いますか?

zopp:みなさん、ギャップが好きなんだと思います。クールでカッコいいイメージの山下くんが、どこかちょっとダサくて、少し陰がある感じで、ロックな曲調を歌う姿に心を掴まれたのかもしれないなと思います。

――楽曲のリリース時に比べて今は男性のソロアイドルが増えていますが、「抱いてセニョリータ」ほど哀愁のある楽曲はやはり珍しいですよね。

zopp:確かにそうですね。僕は昭和生まれで、歌謡曲を聴きながら育って。沢田研二さんの「勝手にしやがれ」もそうですが、強がっているけど実は女々しいところがあったりするんですよね。リリース時と現在では求められる男性像も変わっていると思うんですけど、そういう男性像って令和の今はなかなかないので、新鮮に映るのかもしれないですよね。

――もしかしたら「抱いてセニョリータ」をリアルタイムでは知らなかったけれど、今回の放送で山下さんご本人のパフォーマンスを初めて観るという人もいるかもしれないですね。

zopp:最近の山下くんはR&Bだったり、EDMだったり、そういう楽曲を歌うことも多いようで、クールなキャラクターが反映されているようなイメージがあるので、今の山下くんが「抱いてセニョリータ」を披露して、それをみなさんがどのように捉えるのかが楽しみです。

――zoppさんから見た山下さんの魅力はどこにあると思いますか?

zopp:すごくクールでかっこいいんですけど、どこか陰があるんですよね。その陰が人々を魅了するんじゃないのかなと思います。全てが満たされている人間って、あまり人間っぽくないというか、普通じゃなさすぎると思うんです。山下くんもあれだけお芝居もできてかっこいいのに、どこか陰がある。それが一番の魅力だと思います。ビジュアルだけじゃなくて、生き方もどこかギャップがあるところに魅了されるのだと思います。

――今年は「青春アミーゴ」のリリースから20年というタイミングもありました。

zopp:僕がX(旧Twitter)で投稿したら多くの反響をいただきました(※1)。もしできるなら、(節目を機に)多くの人にもっと聴いてもらえたらいいですよね。古くならない曲だと思うので、一つのきっかけになればと思います。

※1:https://x.com/zopp_zopp/status/1984900054688415797

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